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2017 年度 実績報告書

自然周期採卵における小卵胞由来卵子の由来推定とその有用性

研究課題

研究課題/領域番号 15K10659
研究機関千葉大学

研究代表者

田中 宏一  千葉大学, 医学部附属病院, 医員 (70507194)

研究分担者 生水 真紀夫  千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (30226302)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード小型卵胞 / 自然周期排卵 / 成熟卵 / 小卵胞穿刺
研究実績の概要

われわれは、自然周期による採卵の効率を上げるため、主席卵胞以外の小卵胞に注目し、研究を進めてきた。実際卵胞径3-10mmの小卵胞を使っての採卵で、妊娠に至った症例は今年度だけで、7組存在している。その小卵胞を使っての妊娠の予後に関しては、別の研究テーマで精査されている。本研究では卵胞液、顆粒膜細胞、卵丘細胞等のcharacterizeを行うことにより、その実用性を証明しようとしている。
卵胞液のprofileでは小卵胞はプロゲステロンが優位に低く、テストステロンが優位に高い状態であった。プロゲステロンの優位な低下は、主席卵胞の顆粒膜の黄体化によるところが大きいと思われ、それが卵胞の質を安定化しているわけではない。そこで、テストステロンの卵胞における役割を検証した。マウス卵巣より卵丘細胞卵複合体(COC)を取り出し、培養するex-vivoの系を確立した。培養液中のテストステロン濃度を上げると、卵細胞が卵丘細胞塊から脱出する、denudeという現象が多くみられるようになり、またテストステロン合成阻害薬、アビラテロン処理をすると、denude減少が抑制された。さらにアロマターゼノックアウトマウスでの卵胞培養では卵細胞周囲の顆粒膜の減少が認められ、また、COC作成が困難であった。以上よりアンドロゲン高値での環境は卵丘細胞の質を悪化させる可能性があることが示唆された。アンドロゲン高値の影響は排卵にもみられ、ex-vivoでの卵胞培養においては排卵障害も示し、これはアビラテロンによりrescueされた。以上より小卵胞の利用効率を上げるためには、アンドロゲンが多くなる前の採卵が良く、主席卵胞の採卵時期である、LH注射後36時間より前の採卵が良いと考えられ、また、LH注射をせずに採卵することも可能であることを示唆している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Progesterone as a Postnatal Prophylactic Agent for Encephalopathy Caused by Prenatal Hypoxic Ischemic Insult2018

    • 著者名/発表者名
      Kawarai Y, Tanaka H, Kobayashi T, Shozu M
    • 雑誌名

      Endcrinology

      巻: 10 ページ: 2111

    • DOI

      10.1210/en.2018-00148

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] マウスin vitro PCOSモデルを用いたアンドロゲン合成阻害剤の排卵回復作用の検討2017

    • 著者名/発表者名
      小林達也 田中宏一 生水真紀夫
    • 学会等名
      第62回日本生殖医学会
  • [学会発表] アロマターゼ欠損による高アンドロゲン環境は卵子卵丘複合体の異常をもたらす2017

    • 著者名/発表者名
      小林達也 田中宏一 生水真紀夫
    • 学会等名
      第58回日本卵子学会

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公開日: 2018-12-17  

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