研究課題
マウスにおいて、胚が子宮に着床する前段階として、プロゲステロンシグナルによる子宮内膜上皮のスリット状の変化と増殖の停止、子宮内膜間質細胞の増殖開始が認められているが、胚の受容能に対する意義・重要性は明らかではない。昨年度は、採取しやすい子宮頸部上皮細胞を回収して、遺伝子発現プロファイリング用の準備を行った。コントロール群として、各時期(Day3, Day4am)の子宮頸部を用いた。さらに、着床が阻害される際の頸部細胞における遺伝子プロファイリングを行うため、三つの着床不全モデルを採用した。それらは、Day3にプロゲステロン受容体(PR)のantagonist(RU486)投与、エストロゲン受容体(ER)のantagonist(ICI)投与もしくはパラコート投与(酸化ストレス誘導)によって着床が抑制される。これらの各着床不全モデルのDay4 amの頸部細胞を用いた。各頸部細胞から抽出したRNAを用いて、次世代シークエンサーを用い、大規模データを回収した。コントロール群のDay3からDay4に向けて変動する遺伝子のうち、3つの着床不全モデルで変化のあった遺伝子は、300-400遺伝子存在しており、共通して変化のあった遺伝子は31遺伝子に絞られた。これが、マーカーとして機能しうるか、また子宮体部における遺伝子との連動変化があるのかを確かめるために、現在、着床不全のモデルマウスを用いて、プロゲステロンシグナルと胚受容能ならびに、頸部におけるマーカー遺伝子との連関を検証している。
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Endocrinology
巻: 158 ページ: 2344-2353
10.1210/en.2016-1886