切迫早産に対する抗菌薬の投与は、母体感染症には有効であるが新生児の予後はかえって不良とするとまとめられているが、羊水中病原微生物を正確に評価したうえでの投与ではない。 当院では病原微生物を迅速かつ正確に評価できるPCR法を開発したが、この評価により、羊水中病原微生物陽性例では、最適と思われる抗菌薬を一週間投与し、一方で陰性であった場合には抗菌薬を投与しない場合を適切な抗菌薬治療が行われたと定義し、後方視的に検討してみると、適切な抗菌薬治療群で約4週間の妊娠期間の延長効果があることが判明した。 羊水中病原微生物を正確に評価した抗菌薬治療は、切迫早産に対する新しい治療戦略となる可能性がある。
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