研究課題
2016年2月~2018年5月まで国内9施設で多施設共同研(UMIN000020738)を行い、基準値設定のため陣痛時胎児組織酸素飽和度 (FtO2)、出生直後の新生児組織酸素飽和度(NtO2)を測定した。期間中に分娩第I期、II期のいずれかまたは両方で分娩時の胎児評価をして登録された症例は196例であった。年齢中央値は32歳、経産回数0.45、経腟分娩169例、吸引分娩25例、帝王切開2例、平均出生体重は3010gであった。I期測定は34例、II期測定は183例であった。臍帯動脈血pH7.20未満を異常とすると異常は15例(196例平均pH7.30)であった。臍帯動脈血pH7.20以上を正常例とすると正常は平均FtO2 43.1%(I期)、42.9%(II期)、平均NtO2は49.0%(1分)、52.0%(3分)、52.9%(5分)、異常はFtO2 35.9%(I期)、38.8%(II期)、NtO2 42.6%(1分)、48.5%(3分)、53.0%(5分)で有害事象は見られなかった。CTG異常は登録196例中36例に見られた。FtO2 40%以上を正常とした場合、36例中12例がFtO2 40%以上かつ臍帯動脈血pH7.2以上でありCTG偽陽性であった。新生児ではNtO2 50%未満が継続する場合呼吸障害で新生児入院率が上昇した。CTG異常例のNtO2 出生1分後は平均44.7%と低値であった。指接着型オキシメーターは臍帯動脈血pH低値症例で分娩中に胎児酸素飽和度が低値になることを指摘できる可能性があり、新生児呼吸障害等での入院管理の必要性を出生後3分から予測できる可能性があるため分娩の胎児・新生児モニターを補完する医療機器になり得ると考えた。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)
Ann Vasc Dis
巻: 2 ページ: 36-42
10.3400/avd.oa.18-00117.
産科と婦人科
巻: 86 ページ: 237-240
J Obstet Gynaecol Res
巻: 44 ページ: 2127-2134
10.1111/jog.13761.
周産期医学
巻: 48 ページ: 381-384
静岡母性衛生学会誌
巻: 7 ページ: 27-30