卵巣チョコレート嚢胞への手術により,卵巣予備能のマーカーである血中AMH濃度は,術直後に一過性に低下したのち再上昇し,続いて再下降して術後約1年で定常値となる例が多く,手術処置の卵巣への作用をAMHで評価する場合は測定時期が重要であることが示唆された. プロゲスチンを併用した2期的チョコレート嚢胞手術では,1期的手術に比較して術後の卵巣予備能の低下が緩徐であり,妊孕性温存手術に有用である可能性がある.腹水中の向炎症性サイトカインであるIL-6、IL-8およびIP-10はプロゲスチンにより半数の症例で50%以上低下した。とくにIP-10はプロゲスチンの抗炎症作用のマーカーとなりうる可能性がある.
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