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2016 年度 実施状況報告書

間葉性異形成胎盤の診断・管理指針作成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K10678
研究機関熊本大学

研究代表者

大場 隆  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 准教授 (50244132)

研究分担者 副島 英伸  佐賀大学, 医学部, 教授 (30304885)
片渕 秀隆  熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 教授 (90224451)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード胎盤 / 間葉性異型性胎盤 / インプリンティング / 出生前診断 / 胞状奇胎
研究実績の概要

妊娠中に間葉性異形成胎盤(PMD)が疑われた2症例について国内の産科医療機関より情報提供を受け、妊娠の経過観察と母体採血を予定したが、PMDではないことが判明した。当施設で妊娠15週から分娩まで経過観察し、病理組織学的に間葉性異形成胎盤(PMD)の診断を確定した1症例について、妊娠中の定期的な経過観察を行い、妊婦および夫の末梢血、臍帯血、胎盤標本を収集することができた。これまで我々の研究により、PMDにおいては、比較的血管病変の少ない部位にメチル化異常が高頻度に観察されることがわかっている。このため胎盤の異なる部位から、胎盤絨毛と血管を分離して採取保存し、組織特異的な発現のパターンを解析できる準備が整った。
またPMDと同様の父型ダイソミー型のメチル化を呈し、母体血によりPMDを出生前診断する系の陽性対照となる全胞状奇胎の1症例について、妊婦の末梢血および奇胎絨毛を採取することができた。
採取した資料は共同研究施設である佐賀大学医学部分子生命科学講座分子遺伝学・エピジェネティクス分野(副島英伸教授)に送り、これまでにDNAの抽出を終えた。さらに佐賀大学では、PMDを出生前診断する系を開発するため、母体血中cell free DNAの抽出を試みたが、その収量は予想より少なかった。このためcell free DNAについて長年の研究実績のある長崎大学医学部産科婦人科学教室の三浦准教授に抽出を依頼し、同妊婦の末梢血からある程度の試料を得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

4月14日、16日に発生した平成28年熊本地震のため、研究体制に重大な支障を生じた。

今後の研究の推進方策

平成28, 29年度に予定していた研究を遂行する。
妊娠中にPMDを疑った症例の集積をすすめるとともに、PMDと同様の父型ダイソミー型のメチル化を呈する全胞状奇胎と、対照としての正常妊娠ならびに部分胞状奇胎を母体血中cell free DNAで鑑別しうる測定系の樹立を目指す。この系はPMDの出生前診断のみならず、これまで鑑別が容易ではなかった妊娠早期胞状奇胎の診断にも応用が期待できる。準備的検討が一定の成果を収めた後は、収集したPMD症例についての検討を開始する。研究分担者の片渕が常務理事を務める日本胎盤学会その他の全国的規模の学会で発表し、診断基準および分子遺伝学的診断法についての提言を行う。

次年度使用額が生じた理由

平成28年4月に発生した熊本地震により、建物、実験装置や機器に被害があり、計画が遅延した。

次年度使用額の使用計画

平成28年度に実施できていない実験と、平成29年度に計画している研究計画を行うための実験試薬の購入費等として使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] 周産期領域の遺伝医療と看護職への期待2016

    • 著者名/発表者名
      大場 隆
    • 雑誌名

      日本遺伝看護学会誌

      巻: 14 ページ: 27-29

  • [学会発表] Clinical manifestations and differential diagnosis of early stage hydatidiform mole2016

    • 著者名/発表者名
      Ohba T
    • 学会等名
      The 5th Kumamoto University and Shandong University Life Science Symposium
    • 発表場所
      Kumamoto University
    • 年月日
      2016-11-14
    • 国際学会

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公開日: 2018-01-16  

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