研究実績の概要 |
4回 連続で無脳児を繰り返し本研究に参加同意され染色体G-band核型解析、 高密度SNPマイクロアレイによるゲノム構造の精査の結果、46,XXの正常核型、マイクロアレイでも病的な染色体微細欠失・重複は認めなかった。両親の血液からDNAを抽出した。両親および患児のMTHFRのexon 4,7についてのシークエンス解析でも、患児に特異的な既報の遺伝子多型は見出さず、その後、以上の情報をご両親に提供し定期的遺伝カウンセリングを行うことができた。昨年度から希少疾患をして骨系統疾患と中枢神経疾患に対象を広げ最終H29年度までに骨系統疾患4例、全前脳胞症2例がエントリー出来た。全ての症例において、十分な体制のもと遺伝カウンセリングを行うことが出来た。遺伝カウンセリング体制の確立は本研究の目的の1つであり、染色体検査だけでは不十分であり、次の妊娠に向けての再発率や夫婦の不安除去や人生設計には十分な情報提供を行う事ができた。骨系統疾患4例に関して、娩出された児の口腔組織と血液を用いてDNAシークエンス法よりFibroblast growth factor receptor-3 (線維芽細胞増殖因子3)遺伝子のシークエンスを行った。ヘテロのc.746C>G (p.Ser249Cys)の遺伝子変異FGR3遺伝子の変異を同定し、タナトフォリック骨異形成症タイプ1であることを遺伝子診断を確定した。最終的診断を両親に開示し、次子の発生リスク遺伝カウンセリングを行った。診断困難なSpondylocostal dysostosis(SCD)疑い症例の骨系統疾患のDNAシークエンスでは典型的Tbx6遺伝子異常を認めずexome解析を進めたが、現時点では有意な結果を得られていない。当施設の奇形を含む子宮内胎児死亡の調査を論文として報告した。
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