希少重症疾患である新生児ヘモクロマトーシス(NH)の胎児肝細胞抗原蛋白の特定と病因母体IgG抗体の測定法の開発へ向け,以下の3つを実施した.①本邦における全国調査を通じた疾患発症率の推定と家系収集,②罹患患者血清を用いた原因蛋白の同定実験,③罹患家系のエクソーム解析を通じた原因遺伝子の絞込みである.まず,2010~2014年の全国調査を行い発症率は対100万出生4~5例と推定された.患者血清を用いた免疫染色やウエスタンブロット法による原因蛋白同定は困難であった.エクソーム解析では事前に想定していた単一遺伝子によりコードされる蛋白抗原に対する同種免疫病としての候補遺伝子は絞り込めなかった.
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