研究課題/領域番号 |
15K10698
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
徳永 英樹 東北大学, 大学病院, 助教 (30595559)
|
研究分担者 |
岡本 聡 東北大学, 大学病院, 臨床検査技師 (40420020)
渡部 洋 東北大学, 大学病院, 特任教授 (80231009)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 子宮内膜癌 / 局所免疫 / ミスマッチ修復遺伝子 |
研究実績の概要 |
本研究は子宮底部、子宮体中部、子宮体下部各部位に発生する子宮体癌の筋層内局所免疫反応および子宮体癌と密接に関連するp53およびDNAミスマッチ修復関連遺伝子異常に注目し、相互の関連性を検討することによって、子宮体部における腫瘍発生部位別に子宮体癌の臨床病理学的特徴と腫瘍進展機序の差異を解明しようとするものである。 子宮体癌においては組織学的分化度、子宮筋層内浸潤の深さ、あるいは後腹膜リンパ節転移を主とした子宮外進展の有無が予後規定因子として知られている。子宮体癌は子宮腔内の発生部位によって臨床病理学的所見が異なる可能性が強く示唆されているが、その原因に関する検討報告は全くなされていない。そこで、本研究においては子宮体癌の発生部位による生物学的特徴を明らかにするため、子宮体癌を子宮底部発生癌、子宮体中部発生癌、および子宮体下部発生癌の3型に分類し、子宮筋層内におけるCD56陽性細胞、HLA-DR陽性細胞、CD4およびCD8陽性細胞に注目した局所免疫反応、およびp53遺伝子異常、hMSH2, hMLH1といったDNA ミスマッチ修復遺伝子異常の両面から検討を行う。 本研究の意義は、子宮内膜癌において、局所免疫応答の差異を示すことによって、転移・再発危険因子の再評価を可能とし、より効果的な後治療を規定することを可能にするものと考えている。 当年度の目標は、子宮体癌臨床検体の選別と免疫染色の実施であり、子宮内膜癌の手術摘出組織のパラフィン固定標本25例について、CD8、CD56、dHANDの免疫染色を行った。ひきつづき、予定している他の分子マーカーについて免疫染色を行うことと、部位別の症例数を増やす予定である。 今後は子宮内膜癌の手術摘出組織のパラフィン固定標本からDNAを抽出し、マイクロサテライト領域遺伝子不安定性、およびp53遺伝子異常について解析する。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当年度の目標通り、免疫染色の実施まで至っており、概ね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き、当教室で保管している病理標本を用いて免疫染色を継続する。平成28年度は、一部検体からDNAを抽出して、ミスマッチ修復遺伝子などの変異検索を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成28年度請求額と合わせ、平成28年度の研究遂行に使用する予定である。
|