研究課題
本研究は、侵入奇胎の腫瘍マーカーとして有用性のある血清miRNA(miRNAプロファイル)を同定することを目的とする。また同時に、侵入奇胎の発症機序の解明に近づくことを目指す。侵入奇胎は、主に雄核発生奇胎後に発症する。転移する場所が、子宮筋層・肺に限られること、hCGを産生すること、主に子宮内容除去術終了後2~8週間の間に発症することなど、均一した性質を有する。本研究の最大のコンセプトは、侵入奇胎発症時の奇胎組織の特徴を捕まえることにある。このため、従来から進めてきた子宮内容組織(胞状奇胎組織)の直接の解析ではなく、侵入奇胎成立時の、血清miRNAを研究対象とした。本研究では、1)血清からセルフリーmiRNAが抽出されている。2)胞状奇胎の子宮内容除去術前患者血清からは、has-miR-520bおよびhas-517a-3p(胞状奇胎組織で高発現していることが報告されているmiRNA)がほぼ全例で検出された。3)侵入奇胎診断確定時(治療前)の血清からhas-miR-520bおよびhas-517a-3pの発現は29%(2例/7例)で確認された。検討した侵入奇胎では、検出時に侵入奇胎診断時のhCG値は500~3000 mIU/mlであり、比較的病巣が小さい症例であったために、セルフリーmiRNAの検出率が低いことが推察された。侵入奇胎症例の病状によりセルフリーmiRNAの検出率が異なることが推定されたため、侵入奇胎の腫瘍マーカーとして有用性のある血清miRNAを同定するためには、病巣の大きい侵入奇胎のセルフリーmiRNAを用いたマイクロアレイ解析が必要と考えられた。
すべて 2017 その他
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