侵入奇胎に進展する胞状奇胎と自然寛解する胞状奇胎の違いは不明である。侵入奇胎組織の摘出は臨床的に困難であるため、血清セルフリーmiRNAの検出を試みた。胞状奇胎手術前の血清からは、has-miR-520bおよびhas-517a-3p(胞状奇胎組織で高発現していることが報告されているmiRNA)がほぼ全例で検出された。一方、侵入奇胎診断確定時の血清では、has-miR-520bおよびhas-517a-3pの検出は約30%にとどまった。侵入奇胎の腫瘍マーカーとして有用性のある血清miRNAを同定するためには、病巣の大きい侵入奇胎を用いた解析が必要と考えられた。
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