Nrf2とその調節因子Keap1が、酸化ストレス経路を介して卵巣のステロイド分泌の制御および抗酸化作用を制御するメカニズムを初代培養ヒト卵巣顆粒膜細胞を用いて解明した。Nrf2をsiRNA法でノックダウンしても、卵巣ステロイド合成系には影響なかったが抗酸化作用が減弱することから、Nrf2は顆粒膜細胞における酸化ストレス耐性機能を有することが示された。Nrf2の下流因子として抗酸化因子SOD1, CatalaseとDNA損傷応答因子であるOGG1を同定した。Nrf2のユビキチン・プロテアソーム系による分解を抑制するジメチルフマル酸によりNrf2の抗酸化作用が強く維持されることが明らかとなった。
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