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2016 年度 実施状況報告書

更年期うつ症状の発症機構における酸化ストレスの関与に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K10706
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

寺内 公一  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 寄附講座教授 (90361708)

研究分担者 久保田 俊郎  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (50126223) [辞退]
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード更年期障害 / うつ症状 / 酸化ストレス
研究実績の概要

平成27年度に目標としていた基礎的な動物実験、すなわち閉経の動物モデルである卵巣摘出マウスと偽手術マウスについて、強制水泳試験によるうつ病様行動を比較する動物行動解析試験に関しては、本学動物実験センターのP2区画で実験を行うための調整に膨大な時間を要したが、平成28年8月にようやく実験を開始することが可能となった。
しかし平成28年8月から平成29年3月までの実験では、先行論文 (Bekku 2005 Psychopharmacology; Bekku 2006 Psychopharmacology) に報告されているような、うつ症状を表す指標、すなわち無働時間の増加が、対照群に比して卵巣摘出群に有意に多く認められるという知見は再現されておらず、現在その原因を追究しているところである。その一環として、平成29年度には大豆イソフラヴォンを含まない餌を両群のマウスに与えた上で手術を行い、その後に動物行動実験を行うことを計画している。
一方で、卵巣摘出群から採取した血液中の酸化ストレスマーカーdROMは対照群に比して有意に高く、閉経が酸化ストレスを誘起することが確認されている。また、HSP70やthiolなどうつ症状と関連するバイオマーカーも卵巣摘出群において上昇しており、エストロジェン低下・酸化ストレス・うつ症状の関連を生化学的に確認することができた。平成29年度には、これらの生化学的変化と動物行動学的変化が同期するか否かを引き続き確認していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

上述のように平成27年度に予定した基礎的な動物実験の開始が遅れたが、P2区画において実験を行うための調整を終了し、平成28年度より研究を進めることができている。現在の問題点は、先行論文にある「卵巣摘出群におけるうつ病様行動の増加」が再現できていないことであるが、大豆イソフラヴォンを含まない餌を与えるなどの改良によってこの点を克服しようと試みている。

今後の研究の推進方策

上述のように大豆イソフラヴォンを含まない餌を与えるなどの改良によって卵巣摘出群におけるうつ病様行動の増加が再現されれば、現在得られている血液中酸化ストレスマーカーの増加・うつ症状関連バイオマーカーの増加と行動学的変化が関連付けられるかどうかについて検討を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

上述のように平成27年度に計画していた基礎的動物実験の開始が平成28年度になったため、全般的に予算の執行が遅れている。

次年度使用額の使用計画

上述のように、平成29年度は動物実験の条件を改良してこれを繰り返すとともに酸化ストレスマーカー・うつ症状関連バイオマーカーに関する検討を大規模に行う予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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