研究課題/領域番号 |
15K10707
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
山口 雅幸 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (20529771)
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研究分担者 |
吉原 弘祐 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40547535)
関根 正幸 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (70345502)
榎本 隆之 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90283754)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | Endometrioid carcinoma / Transcriptome / translational research / cancer |
研究実績の概要 |
ミュラー管由来の臓器である子宮(体部・頸部)、卵管、卵巣には、漿液性癌、類内膜癌、粘液性癌、明細胞癌などの組織型のがんが発生し、特に類内膜癌は子宮体部と卵巣に同時に見つかることは比較的多い。その場合、転移性癌と同時多発発生にあたる重複癌では臨床的取り扱いやその予後が異なるため、これらの鑑別は臨床上非常に重要であるが、診断が困難である場合も多い。 本研究では、卵巣類内膜癌と子宮体部類内膜癌の類似性・相違点を網羅的に明らかにし、以上の結果の臨床応用として類内膜癌が子宮体部と卵巣に同時に存在する場合のorigin の鑑別法の確立を行うことを目的とした。 卵巣類内膜癌と卵巣漿液性癌症例の遺伝子発現プロファイルを比較し、卵巣における類内膜癌関連遺伝子発現プロファイルを抽出した。同様に、子宮体部類内膜癌と子宮体部漿液性癌を比較し、子宮体部における類内膜癌関連遺伝子発現プロファイルを抽出した。卵巣および子宮体部の類内膜癌特異的遺伝子発現プロファイルを比較検討し、類内膜癌共通発現遺伝子、卵巣類内膜癌特異的発現遺伝子、子宮体部類内膜癌特異的発現遺伝子の候補を同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度は、子宮体部類内膜癌73例、漿液性癌12例、卵巣類内膜癌20例、漿液性癌243例のマイクロアレイデータ解析を行った。卵巣類内膜癌と卵巣漿液性癌症例の遺伝子発現プロファイルを比較し、卵巣における類内膜癌関連遺伝子発現プロファイルを抽出した。同様に、子宮体部類内膜癌と子宮体部漿液性癌を比較し、子宮体部における類内膜癌関連遺伝子発現プロファイルを抽出した。卵巣および子宮体部の類内膜癌特異的遺伝子発現プロファイルを比較検討し、類内膜癌共通発現遺伝子、卵巣類内膜癌特異的発現遺伝子、子宮体部類内膜癌特異的発現遺伝子の候補を同定した。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、類内膜癌共通発現遺伝子、卵巣類内膜癌特異的発現遺伝子、子宮体部類内膜癌特異的発現遺伝子の候補について、独立したマイクロデータセットを用いて、再現性を検証する。次に、新たな症例群を準備し、realtime RT-PCRで、類内膜癌共通発現遺伝子、卵巣類内膜癌特異的発現遺伝子、子宮体部類内膜癌特異的発現遺伝子のmRNA発現レベルを確認する。さらにrealtime RT-PCRで検証された遺伝子について、免疫組織染色法を用いて、タンパク質レベルでの発現差の有無を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は、子宮体部類内膜癌73例、漿液性癌12例、卵巣類内膜癌20例、漿液性癌243例のマイクロアレイデータ解析を行い、卵巣類内膜癌と卵巣漿液性癌症例の遺伝子発現プロファイルを比較し、卵巣における類内膜癌関連遺伝子発現プロファイルを抽出した。ただし、これらの再現性の検証作業は次年度以降に行うこととしたため。次年度使用額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は、類内膜癌共通発現遺伝子、卵巣類内膜癌特異的発現遺伝子、子宮体部類内膜癌特異的発現遺伝子の候補について、独立したマイクロデータセットを用いて、再現性を検証する。次に、新たな症例群を準備し、realtime RT-PCRで、類内膜癌共通発現遺伝子、卵巣類内膜癌特異的発現遺伝子、子宮体部類内膜癌特異的発現遺伝子のmRNA発現レベルを確認する。
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