研究課題
本年度は子宮内膜癌幹細胞を同定する方法を確立するための検討を行った。これまで我々は子宮内膜癌においてCD133、CD117が癌幹細胞マーカーであることを明らかにした。まず癌幹細胞の生物学的特徴を解析するためにCD133のプロモーターにGFP遺伝子を組み込んだレトロウイルスベクターを作製し、子宮内膜癌細胞株であるIshikawa、MFE280細胞に感染させ、CD133-GFP子宮内膜癌細胞を樹立した。陽性コントロールとしてCMVプロモーターを使用し、陰性コントロールとしてプロモーターなしのベクターを用いた。樹立したCD133-GFP子宮内膜癌細胞はCD133を発現していればGFPが陽性となり、癌幹細胞のみが可視化できる予定であったが、予想していたよりもGFPの発現が弱く実験に使用するのが困難だったためプラスミドベクターをIshikawa、MFE280細胞にトランスフェクションさせ薬剤にてセレクションしCD133-GFP子宮内膜癌細胞を樹立し癌幹細胞のみを可視化することができるシステムを樹立した。また末梢血中から細胞を分離しCD133抗体でインキュベイトしCD133陽性細胞をフローサイトメトリーにて単離することができた。しかしCD133は血球系の表面マーカーであるためCD45抗体で血球系細胞を除外するだけでは不十分である。そのため上皮系マーカーであるEpCAMと併用することで上皮系でありかつCD133陽性である細胞を単離することが可能である。1例に施行し末梢血中10mlから1個のEpCAMかつCD133陽性細胞を単離することに成功した。
2: おおむね順調に進展している
ほぼ研究計画通りに進行している。
臨床検体から末梢血中のCD133陽性細胞を単離し遺伝子解析をする予定である。
物品購入費用が効率的な予算執行により当初計画よりも低く済んだ。
平成28年度の試薬の購入にあてる予定である。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (1件)
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