研究課題
今年度は子宮内膜癌の臨床検体を用いた解析を行った。子宮類内膜癌において術後再発低リスク群とされる進行期1A及び組織分化度グレード(G)1あるいは2の中に早期に再発する症例を認めたため、これらの症例を解析することで子宮内膜癌幹細胞を同定するヒントが隠されているのではないかと考えた。p53とER(α/β)の免疫組織学的発現について解析した。術前の画像検査において遠隔転移を認めなかった子宮内膜癌手術症例のなかで、術後病理標本にて組織型が類内膜癌と診断された154例について検討を行った。p53とER(α/β)の免疫染色を行い、またp53においては遺伝子変異との関連も解析し臨床病理学的因子および分子生物学的因子と所属リンパ節転移・術後再発の有無との相関を評価した。多変量解析にて、病理組織学的Grade、stained-p53、high-ERβの3つの因子が独立した進行リスク因子となっていた。特に、high-ERβはリンパ節転移・術後再発の発生において、感度および陰性的中率が100%であった。また、high-ERβ症例のなかで、リンパ節転移・術後再発の頻度はp53-stained群で61.1%、p53-non-stained群で21.9%であった。Double positive (stained-p53かつhigh-ERβ)症例は、それ以外の群に比べ、有意にDisease-free-survivalが短いという結果であった。p53については、遺伝子変異とリンパ節転移・術後再発との間に相関は認められなかった。子宮内膜癌においてp53、ERβが癌幹細胞に深く関与している可能性が示唆された。
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