研究実績の概要 |
5-アミノレブリン酸(5ALA)を用いた光線力学療法(PDT)が予後不良である卵巣癌の治療手段の一つになることを目指し、取り組んでいる。 「ヒト卵巣癌細胞株での5ALA-PDTの殺細胞効果の確認(in vitro検証)」 細胞株SKOV-3,OV90,A2780,ES2,NOS1,NOS2,NOSから樹立したパクリタキセル耐性株(NOS1-Tr、NOS2-Tr)とシスプラチン耐性株(NOS1-Pr,NOS2-Pr),及び卵黄嚢腫瘍の細胞株NOY1,NOY2を用いた。 ①5ALAを投与し、4時間後の細胞内・外のPpIXの蛍光スペクトルの測定および発光測定を行うことによりPpIXの集積を確認した。ヒト卵巣癌細胞株全てにおいては、細胞内外での5ALA添加後のPpIXの集積濃度はいずれも濃度依存性に上昇していた。明細胞癌細胞株ES2においては、他細胞株と比べ集積の濃度は低い傾向にあった。 ②濃度及び励起光照射時間を変え、PDT後にMTS assayを行いcell viability の確認。濃度別に5ALAを添加し、635nm付近の励起光をそれぞれ0秒(非照射)と600秒で照射,24時間後の細胞生存を吸光度計で測定を行った。特にNOY1,NOY2では、非照射群は生存率の低下をみられず、照射群では5ALA濃度依存性に細胞生存率低下を認め、一定の濃度以上でほぼ0に等しく、他の細胞株より低濃度でPDTの効果がみられることが強く示唆された。 ③ 5ALA取込(PEPT1/2、TAUT、GAT2、PAT1)、排出(AGCG2,FECH)、および, 抗癌剤の排出(ABCB1,ABCC2)に関与するtransporterの細胞株でのmRNA発現を確認。特に、NOY1,NOY2において、PEPT1およびPAT1の発現高いことが確認
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