研究課題
目的;前年度、NOY細胞株において5ALA-PDTの殺細胞効果確認。NOYには癌幹細胞マーカーとして知られているCD133の発現細胞(CD133(+)細胞)の報告がある。NOY1のCD133(+)細胞はがん幹細胞様細胞であることを前提に、ALA-PDTの有効性の評価を行った。方法;磁気ビーズ法によりCD133(+)、CD133(-)細胞が安定して分離可能と確認。in vitroでは1)各群に対して、5ALA-PDTによる殺細胞効果をWST-8 assayを用いて確認。2)光感受性物質プロトポルフィリンIX(PpIX)の細胞内外の蓄積量をprotein assayBCAタンパク質定量法で確認。3)5ALA、PpIXの取り込み・排泄に関与するトランスポーターの遺伝子発現の解析もreal time-PCRを用いて行う。in vivoでは、4)各々の細胞をヌードマウスを用いて、5ALA-PDTの効果の検証を行った。結果;1)に関しては、両群とも5ALAの濃度依存性にPDTの有効性は示されたが、両群に有効濃度・細胞生存率に差は見られなかった。2)の実験でも、両群に蓄積量の差は無かった。3)の実験では、排泄に関わる遺伝子発現量に両群の有意差はみられなかった。ABCG2とABCB6において差を認めたが、遺伝子発現量が弱いため、有効な差ではないと考えた。5ALAの取り込み関与するPEPT1とPEPT2は、CD133(+)細胞とCD133(-)細胞の発現量に差がある可能性が高いことが示唆された。4)結果両群には差がみられなかった。考察;今までは、卵巣がんのがん幹細胞様細胞の機能を持つ細胞は、より薬剤抵抗性が高いことが報告されていたが、今回の実験ではCD133(+)細胞へのALA-PDTの有効性があることが示された。in vivo検証では、結果が不安定であり、再考・再検証が必要と考えている
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Photodiagnosis Photodyn Therapy
巻: 21 ページ: 121-127
10.1016/j.pdpdt.2017.11.013.