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2016 年度 実施状況報告書

リンパ腫から見つかった「がん抑制遺伝子」が子宮体癌の治療戦略を変える。

研究課題

研究課題/領域番号 15K10716
研究機関神戸大学

研究代表者

若橋 宣  神戸大学, 医学研究科, 助教 (80596651)

研究分担者 皆川 健太郎  神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (80432574)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードTFL / エストロゲンレセプター
研究実績の概要

【研究目的】本研究では申請者らのグループが2009年に同定したTransformed follicular lymphoma (TFL) の子宮体癌に対する「がん抑制遺伝子」としての機能に注目した。TFLタンパク発現の低下が進行子宮体癌の予後不良因子となることを既に見出しており、TFLの機能解明が子宮体癌の新たな治療戦略の開発につながると考えている。研究目標としてTFLのがん抑制機能を明らかにし、臨床応用へ展開するための研究基盤を確立するため、以下の3項目を明らかにする。
1. TFLタンパク発現が表現型に与える影響とシグナル伝達経路を解明する。
2. TFLタンパク発現の細胞内調節機構を明らかにする。
3. in vitroで新たに得られた知見が臨床的背景を反映するかを再検討する。
【研究成果】昨年度に検討予定であったin vitroの実験は、TFLタンパク過剰発現株の樹立がうまくいかず、保留状態となっている。本年度、新たに検討した項目として、TFL発現を免疫染色で検討した子宮体癌症例を用いて、エストロゲンレセプター (ER) 発現の検討を行っている。ER発現低下は、子宮体癌における予後不良因子の一つと考えられてきたが、その分子生物学的意義は明らかではない。TFL発現の検討をおこなった進行子宮体癌104症例に対し、ER発現を免疫組織学的に検討した。TFLの染色体部位 (6q25.1) はERのわずか2cM上流であり、TFLのgeneticsな変化がER発現に影響を及ぼしている可能性がある。本研究では、その点に注目しTFLとER発現に関して相関があるのかどうか、予後への影響はどうなのかについて検討をおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

子宮体癌症例103症例のエストロゲンレセプター発現を検討した。
新たに、エストロゲン発現とTFL発現の相関性を確認することができている。TFL発現陰性の症例のほとんどはエストロゲンレセプター発現が陰性であり、予後不良と言われているエストロゲンレセプター発現陰性群のみでの検討でもTFLは予後不良因子であることが明らかになった (10yPFS; 10% v 64% P=.013; adjusted HR 6.45, 95%CI 2.22-18.75; P<.001)

今後の研究の推進方策

TFLとエストロゲンレセプター発現の関連は明らかになった。今後の検討は、この関連が染色体の位置関係によるものかどうかの検討となる。
現在、検討しているのはFISH解析を行うことで、TFL遺伝子領域とエストロゲンレセプター遺伝子領域の関係性、特に同時に欠失などの変化がでているのかを検討したい。また、in vitroの実験も再開したいと考えており、TFLの過剰発現細胞株を樹立し、エストロゲンレセプター発現の変化で表現系に影響がでるがどうかを検討したいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

予定していた、in vitroでの実験が保留になり、論文作成と統計処理という比較的使用額のすくない研究期間であったためと考えます。

次年度使用額の使用計画

FISHでの検討に使用する抗体の購入、
再開予定である、in vitroでの実験に必要な物品購入および論文作成にともなう、英文校正などに使用予定

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公開日: 2018-01-16  

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