研究課題/領域番号 |
15K10718
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
石川 雅子 島根大学, 医学部, 助教 (50467718)
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研究分担者 |
京 哲 島根大学, 医学部, 教授 (50272969)
中山 健太郎 島根大学, 医学部, 准教授 (70346401)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | RSF-1 / 子宮肉腫 / 子宮体癌 |
研究実績の概要 |
子宮平滑筋肉腫(Leiomyosarcoma:LMS 以下LMS)は子宮悪性腫瘍の中では比較的稀な疾患であるが、早期発見は難しく、極めて予後不良である。また子宮体癌(Endometrial cancer ; EC 以下EC)は近年、食生活の変化、また未婚・未産婦の増加から罹患率は上昇傾向にある。これらの子宮悪性腫瘍の治療成績向上のためには、従来の手術療法、化学療法に加え、分子生物学的特徴の解明を行い分子標的治療の確立が急務である。申請者らの研究グループは、これまでLMS組織、またEC組織において新規癌遺伝子RSF-1のタンパク質発現が上昇していること発見しており、本研究でRSF-1が分子標的治療の標的候補となりうるかについて、RSF-1タンパク質発現と臨床病理学的因子との関連の検討を行い、さらに機能解析を進めた。 EC細胞株(Ishikawa, HHUA, HEC1B, HEC50B)を用い、RSF-1が過剰発現するEC細胞株においてshRNAを用いてRSF-1遺伝子ノックアウト細胞の樹立を試みたが、ノックアウト細胞の樹立は非常に困難であった。現在は方針変更し、siRNAでノックダウン細胞を作成し、予定していた増殖能、浸潤能、転移能といった機能解析を進めている。 これと並行し、これまで卵巣癌で報告のあった、RSF-1発現細胞におけるパクリタキセル耐性についても、EC細胞株を用い検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初、RSF-1が過剰発現するEC細胞株においてshRNAを用いてRSF-1遺伝子ノックアウト細胞の樹立を試みたが、困難であったため、現在siRNAを用いて実験を進めている。比較的安定したノックダウン細胞が樹立で来たところで、コントロールの導入細胞と比較し、Growth assay、Colony Formation assay、Soft agar assayを用いて増殖能について検討中である。さらにWound healing assay、Invasion assayを用いて浸潤能、転移のうについても検討中である。
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今後の研究の推進方策 |
子宮悪性腫瘍における新規癌遺伝子RSF-1の機能解析、抗癌剤耐性の検討 ①EC細胞株におけるパクリタキセル感受性の検討、②RSF-1遺伝子ノックダウンにおけるパクリタキセル感受性の検討、③RSF-1遺伝子導入における増殖能、浸潤能、転移能についての検討、④RSF-1遺伝子導入におけるパクリタキセル感受性の検討
①EC細胞株においてRSF-1発現の有無によるパクリタキセル感受性の違いについて検討する。②RSF-1過剰発現細胞株において、RSF-1遺伝子ノックダウンし、パクリタキセルの感受性が変化するか検討する。③正常子宮内膜細胞株にRSF-1遺伝子導入し、増殖能、浸潤能、転移能について検討する。④正常子宮内膜細胞株にRSF-1遺伝子導入し、パクリタキセルに対する感受性が変化するか検討する。
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