研究課題
子宮平滑筋肉腫(Leiomyosarcoma:LMS 以下LMS)は子宮悪性腫瘍の中では比較的稀な疾患であるが、早期発見は難しく、極めて予後不良である。また子宮体癌(Endometrial cancer ; EC 以下EC)は近年、食生活の変化、また未婚・未産婦の増加から罹患率は上昇傾向にある。これらの子宮悪性腫瘍の治療成績向上のためには、従来の手術療法、化学療法に加え、分子生物学的特徴の解明を行い分子標的治療の確立が急務である。申請者らの研究グループは、本研究でRSF-1が分子標的治療の標的候補となりうるかについて、RSF-1タンパク質発現と臨床病理学的因子との関連の検討を行い、さらにH29年度は機能解析を進めた。RSF-1タンパク質が過剰発現するEC細胞株HHUAに対し、siRNAを用いてRSF-1遺伝子阻害実験を行った。コントロールと比較し、Growth assay、Soft agar assay(p=0.001)を用いた増殖能の検討では、RSF-1ノックダウン細胞株はコントロールと比較し、有意に増殖能が減少した。また、Wound healing assay、Invasion assayを施行したところ、RSF-1ノックダウン細胞株で有意に浸潤能の低下を認めた(p=0.021)。前年度までの結果を総合し、下記結論を得た。①子宮悪性腫瘍におけるRSF-1タンパク質発現の頻度、臨床病理学的因子との関連、予後ついて検討したところ、RSF-1タンパク質過剰発現は無増悪生存率、また全生存率の間に有意な相関は認めなかった。②癌遺伝子RSF-1は腫瘍の増殖能、浸潤能を有意に増加させ、腫瘍増殖、転移に関連すると考えられた。これより、RSF-1は治療標的となる可能性があると考えられた。
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