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2017 年度 実績報告書

子宮筋腫が増大する機序に関する分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K10724
研究機関横浜市立大学

研究代表者

佐藤 美紀子  横浜市立大学, 附属病院, 准教授 (70326049)

研究分担者 宮城 洋平  地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, 総括部長 (00254194)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード子宮筋腫
研究実績の概要

子宮筋腫組織の初期培養系を使用した実験で,erythropoietin (EPO)の発現はMED12野生型の筋腫に限りエストロゲンにより誘導されるが,低酸素の影響はほとんど受けていないことを明らかにした.MED12変異型の筋腫は野生型の筋腫に比較してサイズが小さくエストロゲンの影響を受けにくいこと,一般的に筋腫は常に腫瘍内が低酸素状態にあるために低酸素によるHIFタンパクの発現が調節が起こりにくいなどの先行報告の内容に一致した所見であった.したがってMED12野生型の筋腫の一部ではエストロゲンが何らかの機序によりエリスロポエチン分泌を促し,おそらく血管増生や血管成熟を介して腫瘍の増大に寄与していると考えられる.MED12野生型筋腫におけるEPO発現の分子遺伝学背景とEPOの機能を解析すべく,現在,EPOを分泌するMED12野生型の筋腫とEPOを分泌しないMED12野生型筋腫におけるmRNA発現様式の差異について,マイクロアレイ法を用いて網羅的に検索中である.
我々の研究はこれまでに認識されていなかった, 巨大に増大しうる筋腫のサブタイプが存在することを提示した.これまでは子宮筋腫は単独の疾患と認識されてきたが,実際にはその性質や振る舞いには多様性があり,その多様性を理解することは患者ごとに適切な治療戦略を計画するために必要不可欠であり,今後臨床的に応用しうる重要な知見を示したものと考えている.
同時に,MED12野生型でそれぞれEPO高発現,低い発現の筋腫細胞の不死化を行なった.今後はこれらの細胞株を用いて,筋腫細胞におけるEPOの作用を検証する予定である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 子宮筋腫のエリスロポエチン発現はエストロゲンにより亢進する.2017

    • 著者名/発表者名
      浅野涼子,佐藤美紀子,宮城洋平,宮城悦子
    • 学会等名
      第16回日本婦人科がん分子標的研究会学術集会

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公開日: 2018-12-17  

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