研究課題/領域番号 |
15K10727
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
矢野倉 恵 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (20433732)
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研究分担者 |
阪埜 浩司 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (70265875)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 子宮体癌 / エピジェネティクス異常 / DNA メチル化 / miR-663a |
研究実績の概要 |
【目的】昨年度までに同定されたエピジェネティック発癌群2例とコントロール群2例の子宮体癌患者についてDNAのメチル化をゲノムライドに解析し、エピジェネティック発癌に寄与する異常メチル化を同定する。 【方法】エピジェネティック発癌群2例とコントロール群2例の子宮体癌患者より書面による同意を得た上で末梢血と子宮体癌組織を得た。各サンプルからDNAを抽出し、Next generation sequence(NGS)によりゲノムライドなDNAのメチル化解析を行った。得られたデータをサンプル間で比較し、Differential methylated CpG (DMC)およびDifferential methylated region (DMR)を同定した。 メチル化により遺伝子発現が抑制されているか確認した後、下流遺伝子発現の変化をリアルタイムPCRにて解析し、エピジェネティック発癌に寄与するか検討した。 【結果】NGSデータのDMCおよびDMR解析により、エピジェネティック発癌群の末梢血DNAはコントロール群に比し、有意にmiR-663aのプロモーター領域が高メチル化されていることが明らかになった。また、エピジェネティック発癌群のmiR-663a発現は、コントロール群に比し低値であり、プロモーター領域のメチル化による遺伝子発癌抑制が示唆された。さらに、miR-663aの直接のターゲット遺伝子であるTGFβ、さらにTGFβと関連が報告されているDNA methyltransferases (DNMTs)の発現上昇をリアルタイムPCRにて確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
DNAメチル化のNGSデータ解析は確立された方法がなく、各ステップ・設定をトライアンドエラーで行う必要があった。さらに、解析に使用したコンピューターの性能の問題もあり、当初の予想よりデータ解析に時間がかかってしまった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、同定されたmiR-663aの機能解析を培養細胞株を用いて行っていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入予定であった商品が海外取り寄せとなり、本年度中の支出ができなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
商品が届き次第支出予定。
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