研究課題/領域番号 |
15K10732
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
寺尾 泰久 順天堂大学, 医学部, 先任准教授 (00348997)
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研究分担者 |
向後 泰司 国立研究開発法人理化学研究所, 予防医療・診断技術開発プログラム, マネージャー (20462682)
河合 純 国立研究開発法人理化学研究所, 予防医療・診断技術開発プログラム, 副プログラムディレクター (30391923)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 子宮体癌 / リンパ節転移 / バイオマーカー |
研究実績の概要 |
2009年4月から2015年8月に当院で手術施行115症例の子宮体癌組織を収集した。筋層浸潤1/2以下の子宮内膜癌と診断されたリンパ節転移陰性(LN-)10症例と陽性(LN+)5症例に対してCAGE法を用いてLN-/LN+の識別に有効な可能性を有する候補遺伝子群を抽出した。これら候補遺伝子の発現量を全115症例に対してqRT-PCRで検証し、診断精度の高いバイオマーカー遺伝子を同定した。 CAGE法によるプロモーター解析からリンパ節転移状態と発現量が相関する6遺伝子を抽出し、最も診断精度の高いSEMA3Dと既知遺伝子のイントロンに新規転写開始点を有するTACC2新規アイソフォームを同定した。SEMA3Dはリンパ節転移陰性群で高発現し(P<0.001)、対照的にTACC2新規アイソフォームは転移陽性群で高発現を示した(P<0.05)。これら2遺伝子の発現量差を用いたリンパ節転移識別能評価では、高い識別性能を認めた(AUC = 0.929)。 ただし、新規TACC2は、そのシーケンス結果から非常に多くのvariantが存在することが示唆され、その機能やバイオマーカー的精度の検証が必要であると考えられた。そこで次世代シーケンサーの一つであるnanoporeを用いて、一度に多数のvariantのシーケンスを実施し、その存在比率や多様性の評価を行っている。また新規TACC2の発現量の高い子宮体癌細胞株を用いて、その機能解析を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
多様なvariantの存在から、機能解析に先行してシーケンスによるvariantの配列決定を行い、機能解析を進めた。
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今後の研究の推進方策 |
variantの多様性を検証し、転移に最も関連するvariantの同定を試み、またその機能解析を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
機能解析に先行してシーケンスを実施したため。
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次年度使用額の使用計画 |
シーケンス結果に基づいて機能解析を実施する。
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