側頭骨内には耳小骨のような微細な構造とともに、神経、血管などの重要構造物が存在する。そのため安全、確実な側頭骨手術を行うには、解剖を熟知することが必須である。近年の3Dモデル造形技術の発展に伴い、CTデータから3Dモデルを作成することが可能となったが、微細な構造が多く、内部に含気腔を持つ側頭骨を再現することは難しかった。今回、その問題点を克服する工夫を行い、外側、内部の再現性の観察とともに、モデル自体をCTと元データの比較、手術トレーニング参加者による評価を行った。その結果、一部の微細な構造以外、ほぼ再現性の良いモデルを作成することができ、手術トレーニングに十分使用できることが検証された。
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