研究課題/領域番号 |
15K10754
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
山田 啓之 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (00403808)
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研究分担者 |
脇坂 浩之 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (30304611)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 伝音効率 / 人工耳小骨 / 鼓室形成術 |
研究実績の概要 |
鼓室形成術の成功には伝音効率の良い耳小骨連鎖の再建が不可欠であり、再建材料は各症例に最も適した形状に細かく加工される。しかし、最良に加工された再建材料を用いても鼓膜浅在化や陥凹といった術後に生じる変化により再建材料が脱落、あるいは挿入位置のずれを起こし、聴力が低下する症例は少なくない。そこで当該研究では術後変化に対応し得る人工耳小骨の開発を目指し、術後の変化に対応して形状が変わる新たな再建材料を検討することが目的である。当該研究では新たな再建材料として網膜剥離の治療で使用されるlabtician ophthalmics社製のシリコンスポンジを用いて検討を行っている。まず、正常の耳小骨連鎖のまま外耳道に80dBの音響負荷を行い、アブミ骨底板の振動を測定した。その後キヌタ骨を除去し、適切な長さのチタン製人工耳小骨をツチ骨とアブミ骨の間に挿入し0.15mmの暑さのスライドガラスを1枚、2枚、3枚と順次挿入後、各条件でのアブミ骨底板の振動を80dBの音響負荷で測定した。その結果、挿入したスライドガラスの枚数に応じて底板の振動が低音を中心に減弱していた。続いて厚さ2mmのシリコンスポンジをツチ骨とチタン製人工耳小骨の間に挿入しアブミ骨底板の振動を80dBの音響負荷で行った。シリコンスポンジの伝音効率はチタン製人工耳小骨のみの伝音効率と大きく変わりなかった。次年度はシリコンスポンジ挿入後にスライドガラスを順次挿入し、伝音効率がどのように変化するか検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シリコンスポンジを用いて伝音効率を測定できているので研究はおおむね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
シリコンスポンジにスライドガラスを挿入したり、チタン製の人工耳小骨の長さを変化させ足りすることでツチ骨からアブミ骨までの距離を変化させ、それが及ぼす伝音効率の変化を検討していく
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次年度使用額が生じた理由 |
研究は着実に進んでおり、ヒト側頭骨を用いた伝音解析にて新たな知見が得られつつある。今後これまでの成果をさらに発表を行っていくが、該当年度では論文掲載が進まずその費用が余っている。また除振台などの測定環境整備が遅れていることが原因と考えられる。
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次年度使用額の使用計画 |
論文掲載や測定のための周辺環境を整えるために使用する予定である。またデータの採取、記録の媒体にも使用する予定である。
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