研究課題/領域番号 |
15K10768
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
肥塚 泉 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (10211228)
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研究分担者 |
三上 公志 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (20434409)
宮本 康裕 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (70367340)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 前庭動眼反射 / 半規管動眼反射 / 耳石器動眼反射 / 体性感覚刺激 / 可塑性 / モダリティー依存 / 視覚刺激 / 視運動刺激 |
研究実績の概要 |
我々は、体性感覚刺激が前庭動眼反射の可塑性に及ぼす影響について検討を加えている。圧刺激による体性感覚刺激を両肩左右方向に加えながら一定時間振子様回転刺激を加え、半規管動眼反射(semicircular ocular reflex: ScOR)と耳石器動眼反射(otolith ocular reflex: OOR)の刺激前後の利得の変化について検討を加えた。その結果、ScORの利得は減少、OORの利得は増加するという結果を得た。圧刺激による体性感覚刺激を両肩左右方向刺激は直線方向なので、回転加速度によって生じるScORの利得は減少、直線加速度によって生じるOORの利得は増大すると考察した(刺激様式のモダリティー依存)。今回は、平面スクリーンに指標を投射しこれを左右に動かしながら振子様回転刺激を加え、視覚刺激によるScORとOORの可塑性におけるモダリティー依存について検討を加える。本年度はまず、昨年度に開発した、レーザー光による赤色光点を用いた滑動性眼球運動刺激が視覚刺激として十分なのかどうかについて検証を加えた。その結果、視覚刺激としては不十分である(弱い)ことが判明した。そこで、被験者の眼前に設置した平面スクリーンに、白黒OKNストライプを投射して視覚刺激を行うことにした。被験者7名に対して、垂直軸回転刺激(earth vertical axis rotation: EVAR)の状態で、被験者の眼前に設置した平面スクリーンに、OKNストライプを椅子と同じ速度で反対方向(X2パラダイム)、白黒OKNストライプを椅子の2倍の速度で同方向(-1パラダイム)に視刺激を加えながら振子様刺激(周波数0.16Hz、最大角速度60˚/秒)を20分間加えた前後のScORの利得を比較した。その結果、刺激前後で、X2パラダイム、-1パラダイムとも刺激前後で利得に変化を認めなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、用いる予定であった、レーザー光による赤色光点を用いた滑動性眼球運動刺激が視覚刺激として不十分である(弱い)ことが判明したので、より確実に視覚刺激を加えることができる白黒OKNストライプを投射して視覚刺激を行うことに変更した。そのため、実験開始まで、予想以上に時間を費やす結果となった。今年度、EVARですでに被験者7名に対し実験を施行した。偏直軸回転刺激(off-vertical axis rotation: OVAR)の実験も、来年度から開始できる状態にあり、今後は当初の計画通りに、研究は実施される見込みである。
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今後の研究の推進方策 |
EVARですでに被験者7名に対し実験を施行した。偏直軸回転刺激(off-vertical axis rotation: OVAR)の実験も、来年度から開始できる状態にあり、今後は当初の計画通りに、研究は実施される見込みである。
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