研究課題/領域番号 |
15K10770
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
土井 勝美 近畿大学, 医学部, 教授 (40243224)
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研究分担者 |
日比野 浩 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70314317)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | RhoA/ROCK pathway / 蝸牛 / 内耳虚血 |
研究実績の概要 |
RhoA/ROCK pathway関連分子の内耳における生理学的解析
平成27年度は生理学的解析を中心に施行した。正常マウスおよびモルモットの蝸牛よりさまざまな内耳電位(内リンパ電位endocochlear potential EP、蝸牛マイクロフォン電位・加重電位cochlear microphonics CM & summating potential SP、蝸牛神経複合活動電位 compound action potential CAP)と内・外リンパ液中のK+、Na+、Cl-イオン濃度、そしてABRの測定を行った。同時に、実験的な内耳虚血状態を作成するために無呼吸負荷を行い、その際の内耳電位およびリンパ液中のイオン濃度の変化を測定した。さらに、選択的なROCK inhibitorであるfasudil、hydroxy fasudilを正常モルモットおよび内耳虚血モデル動物の蝸牛内、蝸牛動脈内へ投与して、内耳電位およびリンパ液中のイオン濃度への影響を解析した。現在、それらの結果については詳細に検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
先ずは、内耳における電気生理学的研究のシステム立ち上げが必要であり、正常動物における内耳電位の測定、リンパ液中のイオン濃度の測定は可能になった。また、内耳血流障害を発症させるための内耳虚血動物の作成にも成功した。内耳虚血モデル動物の内耳からの電位・イオン濃度測定も可能になり、現在は選択的なROCK inhibitorであるfasudil、hydroxy fasudil投与の影響を解析中である。
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今後の研究の推進方策 |
電気生理学的研究が順調に進むようになった後、内耳に発現するRhoA/ROCK pathway関連分子に関する分子生物学的、分子遺伝学的研究に着手する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新潟大学整理学教室との共同研究であり、平成27年度の研究費は新潟大学へ配分された研究費内での遂行となった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度以降、分子生物学的・分子遺伝学的研究を本格的に開始する予定であり、研究費の適正使用を計画している。
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