研究課題/領域番号 |
15K10776
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
本田 耕平 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10312711)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | アレルギー性鼻炎 / 好酸球性副鼻腔炎 / メタボリックシンドローム |
研究実績の概要 |
本研究は、メタボリックシンドロームのマスターレギュレーターとして重要な役割を演じている核内レセプターPPARが気道アレルギー疾患発症に与える影響について検討し、さらにPPARを介した炎症制御による新たな気道アレルギー疾患の治療戦略を目指すことを目的としている。今回我々は末梢血より分離した好酸球と副鼻腔炎患者より手術にて摘出した鼻茸を用い、その抽出液による好酸球の遊走をリアルタイム細胞動態解析装置(TAXIscan)を用いて検討する実験系を確立し報告した(Saito H, Honda K, et al: Eosinophil chemotaxis assay in nasal polyps by using a novel optical device EZ-TAXIScan: Role of CC-chemokine receptor 3. Allergol Int. 2016)。鼻茸抽出液のEotaxin濃度と好酸球遊走能との間に正の相関を認めた。この装置はごく少量の検体(サンプル1μl、好酸球100個)にて遊走能の測定が可能であり、水平方向への遊走をリアルタイムに観察できるメリットがる。今後好酸球性副鼻腔炎の鼻茸抽出液やアレルギー性鼻炎の鼻汁を検体としPPARのアゴニストを用い好酸球遊走能への抑制作用を検討する予定である。PPARγアゴニストの好酸球活性化抑制作用があきらかとなればステロイドに変わる新たな気道アレルギー疾患に対する治療戦略となる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
鼻茸や鼻汁などの臨床検体の採取にはある程度制限があること。
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今後の研究の推進方策 |
今後リアルタイム細胞動態解析装置(TAXIscan)を用い好酸球性副鼻腔炎の鼻茸抽出液やアレルギー性鼻炎の鼻汁を検体としPPARのアゴニストの好酸球遊走能への抑制作用を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
以前購入した抗体、ELISAキット、試薬が存在し新規に購入する試薬が減少したため。実験の遅れもあり試薬の購入も遅れているため。 委託測定が今回行われなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度行えなかった委託測定を行う。 試薬新規購入予定。学会旅費も使用する予定。
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