• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2017 年度 実績報告書

Mechanism of production and release of tissue plasminogen activator in airway epithelial cells

研究課題

研究課題/領域番号 15K10779
研究機関福井大学

研究代表者

坂下 雅文  福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (40555455)

研究分担者 高林 哲司  福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 講師 (70397272)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード好酸球性副鼻腔炎 / 鼻ポリープ / 線溶系 / t-PA / retinoic acid
研究実績の概要

【背景】近年、好酸球性副鼻腔炎が増加している。従来の慢性副鼻腔炎と比べて、ステロイドの内服が著効するが、難治性であることが特徴である。その病態には、フィブリン沈着が鼻ポリープを形成しており、フィブリンを分解するtissue plasminogenactivator(t-PA)産生が鼻粘膜上皮において低下していることが重要である。本研究は、気道上皮におけるt-PA 産生のメカニズムの解明を目的としている。
【結果】①気道上皮細胞における23 種の刺激を用いたt-PA 発現実験:選出した23 種類の刺激をNormal Human Broncheal Epithelial cell (NHBE) に加えた結果、retinoic acid (RA)により、t-PAの産生がcontrolのおよそ10倍の遺伝子発現(real time PCR)、4倍のタンパク発現(ELISA)がみられた。
②t-PA 産生促進刺激を用いた実験:t-PAが気道上皮細胞中に貯蔵、放出されるメカニズムを解析した。その結果、t-PA産生を亢進させる刺激(RA)においても、産生を低下させる刺激(IL-13)においても、産生されたt-PAのおよそ80%のt-PAが上清中に放出された。また、鼻ポリープ中で多いIL-13の刺激下にRAを加えると、t-PAの産生はIL-13単独と比べて上昇していた。
③慢性副鼻腔炎の鼻茸と比べて中ではアスピリン喘息患者の鼻ポリープ中ではRAの濃度は優位に低かった。
【結論】これらのことから、より重症なアスピリン喘息において鼻ポリープが遷延する病態としてポリープ中のRAが少なくなってきたためではないかと考えられる。鼻ポリープにRAを塗布するなどの操作をすることで、ポリープの縮小する可能性を見出した。今後治療応用を検討していく。現在、論文投稿中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2017

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件)

  • [学会発表] イメージングマススペクトロメトリーを用いた慢性副鼻腔炎組織の脂肪酸解析2017

    • 著者名/発表者名
      坂下雅文 二之宮貴裕 早坂孝宏 正木紀隆 瀬藤光利 藤枝重治
    • 学会等名
      第36回日本耳鼻咽喉科学会免疫アレルギー学会
  • [学会発表] Retinoids Activate the Production of Tissue Plasminogen Activator in Human Epithelial Cells2017

    • 著者名/発表者名
      Masafumi Sakashita, Tetsuji Takabayashi, Tetsuya Homma, Atsushi Kato, David B. Conley, Bruce K. Tan, Robert C. Kern, Robert P. Schleimer, Shigeharu Fujieda
    • 学会等名
      IFOS 2017
    • 国際学会
  • [学会発表] アレルギー性鼻炎の免疫治療とバイオマーカー2017

    • 著者名/発表者名
      坂下雅文
    • 学会等名
      第66回アレルギー学会
    • 招待講演
  • [学会発表] アレルギー性鼻炎の疫学調査からみる治療と対策2017

    • 著者名/発表者名
      坂下雅文
    • 学会等名
      第56回日本鼻科学会総会・学術総会
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2018-12-17  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi