近年、好酸球性副鼻腔炎が増加している。その病態には、フィブリン沈着が鼻ポリープを形成しており、フィブリンを分解するtissue plasminogenactivator(t-PA)産生が鼻粘膜上皮において低下している。本研究は、気道上皮におけるt-PA 産生のメカニズムの解明を目的としている。レチノイン酸(RA)によりt-PAの遺伝子発現が10倍増加し、産生されたt-PAのおよそ80%が上清中に放出された。アスピリン喘息患者の鼻ポリープ中ではRAの濃度は優位に低かった。鼻ポリープ産生の病態としてポリープ中のRAが少ないことが考えられ、RAを投与することで、ポリープの縮小する可能性を見出した。
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