研究課題/領域番号 |
15K10780
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
松岡 伴和 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (30313810)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | アレルギー / 免疫療法 / バイオマーカー / 自然免疫 |
研究実績の概要 |
アレルゲン免疫療法におけるバイオマーカーの探索として、スギ花粉症患者の末梢血を用いて、IgG4の測定とELIFABの測定系を樹立した。スギ花粉症に対して皮下免疫療法を行っている患者では、行ってない患者に対してIgG4が有意に増加し、ELIFABでは有意に抑制されることが明らかとなった。そこで、ハウスダスト・ダニアレルギー性鼻炎患者に対しても同様の結果が得られるか検討を始めたが、今のところ良い結果が得られていない。現在、測定系の条件設定を再検討しているところである。 さらに、スギ花粉症患者と健常者(主要な吸入抗原に感作されていない方)の末梢血単核球のIL-27産生について、フローサイトメトリーを用いて検討を行った。IL-27産生の高い健常者の方と、IL-27産生の低いスギ花粉症患者を同定した。現在、アレルゲン免疫療法(皮下免疫療法および舌下免疫療法を含む)を受けている患者も含めて、症例の蓄積を行っている。IL-27産生の高い症例と低い症例を用いて、IL-27のプロモーター解析を始めているが、思うような結果が得られていない。現在、実験の条件設定や試薬の見直しを行っている。 また、末梢血中のILC2についても、フローサイトメトリーを行って解析している。まだ測定を始めたばかりなので、結果は今後得られるものと考えている。マウスを用いた研究では、IL-27はILC2を抑制することが知られており、両者には負の相関があることが予想されるので、検討を進めて行きたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2017年9月に山梨大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科が第56回日本鼻科学会総会・学術講演会を主催し、研究代表者が事務局長を務めていた。準備に多大な労力が割かれたため、研究に従事する時間を削らざるを得なかった。また、IL-27のプロモータ解析は、予備実験で思うようにデータが得られていないため、測定の条件設定等に時間を費やしている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
研究対象の研究期間を1年間延長していただいたので、現在進行中の研究を継続していく予定である。また、IL-27のプロモータ解析については、結果が思わしくないようであれば、一部の測定を外部へ委託することを含めて検討している。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 予備実験の結果が思わしくなかったこと。また、2017年9月に山梨大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科が第56回日本鼻科学会総会・学術講演会を主催し、研究代表者が事務局長を務め、準備に多大な労力が割かれたため、研究に従事する時間を削らざるを得なかったことにより、試薬の購入費用が予定より少なくなった。 (使用計画) 今後、測定が本格的になれば、試薬の購入費用にあてる予定である。また、一部測定に関しては、外注することも考慮しており、その費用にあてることも検討している。
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