嗅覚神経細胞への特異的分化を目的とした選択的細胞移植法の確立

2016 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 15K10783
• 研究機関: 岡山大学
• 研究代表者: 高原 潤子 岡山大学, 医学部, 技術専門職員 (80448224)
• 研究分担者: 西崎 和則 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (90180603)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2019-03-31
• キーワード: 移植 ・再生医療 / 細胞・組織 / 脳・神経

研究実績の概要

本年度の研究では、野生型マウス由来骨髄組織からの間葉系幹細胞の単離法を確立するため、前年度の研究より改善を要した点について検討を行った。
マウス間葉系幹細胞は存在する割合が極めて少ないため、骨髄組織から採取した細胞の収量は、間葉系幹細胞の収量にも大きく影響する。前年度では間葉系幹細胞の収量が非常に少なく、間葉系幹細胞の単離法を確立するまでは至らなかった。その原因として、コラゲナーゼ処理が不十分であったためではないかと考えられた。採取した大腿骨等は小片化した後、コラゲナーゼ処理を行うことでニッチからの間葉系幹細胞の分離を行うが、前年度ではコラゲナーゼ処理時における撹拌速度が不十分であり、コラゲナーゼが十分に浸透せず、間葉系幹細胞の収量に影響したと考えられた。そこで本年度では、コラゲナーゼ処理時における撹拌速度を改善し、骨髄組織から採取する細胞の収量向上を試みた。
骨髄組織からの細胞採取では、野生型マウス安楽死をさせた後、大腿骨・脛骨を採取した。続いて骨片の粉砕・小片化、コラゲナーゼ処理、赤血球溶解処理等の操作により細胞を採取・調整した。コラゲナーゼ処理においては、前年度と比較して酵素反応時の撹拌速度を約4倍に上げ、コラゲナーゼが十分に浸透するように改善した。
その結果、骨髄組織から採取した細胞の収量は、前年度と比較して1.4倍に向上した。このことから、コラゲナーゼ処理時における撹拌速度は、細胞収量に大きく影響していることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

妊娠に伴う体調不良のため、計画通りに研究を進めることが困難であった。

今後の研究の推進方策

育児休業後は、骨髄からの各種幹細胞の単離等を進めていく。

次年度使用額が生じた理由

妊娠に伴う体調不良ため、計画通りに研究を進めることが困難であった。そのため、試薬等の購入に使用することが少なかった。

次年度使用額の使用計画

実験を進めて行く上で必要な試薬等の購入に使用する。