研究課題/領域番号 |
15K10784
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小宗 徳孝 九州大学, 大学病院, その他 (80529884)
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研究分担者 |
松本 希 九州大学, 大学病院, 講師 (60419596)
森 恩 九州大学, 大学病院, その他 (90448415)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 拡張現実 / 側頭骨外科手術 / 微小外科解剖 / ナビゲーション / 内視鏡 |
研究実績の概要 |
本研究は、側頭骨頭蓋底外科手術において、ナビゲーション下内視鏡手術と拡張現実・マッピング技術を融合することで、死角のない安全で正確な手術支援システムを構築することを目的としていた。予備実験として、光学式顕微鏡手術において拡張現実技術で側頭骨内の構造物を術野に投影した際も、実際の構造物との誤差は非常に大きかった(2mm<)。さらに、内視鏡下手術においては、その誤差がさらに大きくなることがわかり、ナビゲーションの位置合わせの方法(レジストレーション)から検討し直すこととした。レジストレーションの方法を見直し、予備実験を行った上で次のように改善した。まず、術中にぶれないリファレンスマーカーとして患者にマウスピースをはめてもらい、そのマウスピースへリファレンスマーカーを固定することにした。そうすることで術野に邪魔にならない位置に安定したリファレンスマーカーを置くことが出来るようになった。マウスピース内にレジストレーション用のマーカー(Fiducial marker)を複数あらかじめ埋込み、マウスピースを患者に固定した状態で、術前のCTを撮影した。その後、そのマウスピースにリファレンス用のMarkerを取り付けた。その術前CTのDICOMデータを用いて、マウスピースを装着した患者の位置合わせを行うと、ナビゲーションの誤差が劇的に改善し、安定したナビゲーションの精度が得られることが分かった。この手法を基盤にし、拡張現実技術を応用することとした。前年度に、内視鏡モニターへ投影する拡張現実の表示方法の改善を試み、術中の視認性を大きく改善することには成功したが、投影した情報の位置精度を向上するまでには至っていなかった。現在、安定した精度がえられるレジストレーション方法を基盤に、内視鏡視野への拡張現実情報の投影をおこなっており、解析中である。
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