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2016 年度 実施状況報告書

花粉症の発症機序におけるHRFの役割

研究課題

研究課題/領域番号 15K10794
研究機関北海道大学

研究代表者

柏倉 淳一  北海道大学, 薬学研究院, 講師 (90373290)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード花粉症
研究実績の概要

ヒスタミン遊離因子(Histamine-releasing factor:HRF)はアレルギー炎症反応に関わる液性因子として同定された。我々は先行研究でHRFのN末19アミノ酸とH3ドメインを介してある種のIgEやIgGの可変部領域と結合しアレルギー反応の責任細胞であるマスト細胞の活性化を誘導することを報告している。またHRF阻害剤を開発し、気管支炎症マウスモデルに処置したところ、喘息症状の改善が観察された。これらのことから、他のアレルギー病態に関してもHRFが関与し、開発したHRF阻害剤がアレルギー症状を改善すると予測し検討を行ったのが本研究の目的である。当該年度では生体内レベルでのHRFの役割を検討する目的で花粉症マウスモデルを用いて解析を行った。マスト細胞依存性花粉症マウスモデルとしてブタクサ花粉を連続投与するマウスモデルを採用した(Kato et al, PLoSOne, 2014)。ブタクサ花粉を6回/週で3週間連続投与すると2週目よりブタクサ花粉投与マウスでくしゃみ回数の有意な増加が観察され、この増加傾向はブタクサ花粉依存性であった。花粉症誘導マウスの血中総IgEおよびIgG1量を測定すると、誘導したマウスで有意な総IgE量の増加が見られた。一方、総IgG1量の有意な増加は観察されなかった。HRF反応性IgE抗体価に関しては測定感度の改善が必要であることが示唆された。次年度は本花粉症マウスモデル症状発症期にHRF阻害剤を投与し、花粉症発症におけるHRFの役割を検討する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

初年度に研究計画を変更し、HRF単量体および二量体のマスト細胞活性化機序に対する解析を先行させ、in vivoの解析を本年度に実行した。次年度はHRF阻害剤による症状の改善結構の有無が検討可能である。

今後の研究の推進方策

生体レベルでの解析がすでに行われており、平成29年度に花粉症発症におけるHRFの役割およびその詳細な作用機構を解析することは十分可能である。今後はHRF反応性IgE測定方法の改善を試み、現在行なっている花粉症マウスモデルのHRF反応性IgE抗体価およびHRF反応性IgG抗体価、さらにはHRF量の測定を行う予定である。さらにHRF阻害剤を症状誘発期に投与しHRFと花粉症発症との関連性を解析する予定である。

次年度使用額が生じた理由

花粉症マウスモデルを変更し、使用する花粉抗原の種類が変更したため

次年度使用額の使用計画

次年度はin vivoによる検討が中心となり、新たに花粉症マウスモデルへのリコンビナントタンパク質や中和抗体/細胞除去抗体の投与実験を計画している。そのため、生じた次年度使用額はそれらの試薬購入に当てる予定である。

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公開日: 2018-01-16  

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