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2015 年度 実施状況報告書

CD147シグナル伝達経路による頭頸部癌制御機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K10796
研究機関秋田大学

研究代表者

鈴木 真輔  秋田大学, 医学部, 講師 (90312701)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードCD147 / EMMPRIN / 頭頸部癌 / シグナル伝達
研究実績の概要

悪性腫瘍において腫瘍の浸潤、遊走などは腫瘍進展における重要な要素であるが、これらを誘導する因子として細胞膜タンパク質であるCD147が知られるようになってきた。我々も頭頸部癌細胞の進展能におけるCD147の役割について報告してきたが、その詳細な機序と臨床的意義についてはいまだ十分に解明されてはいない。
細胞内シグナル伝達は生体機能制御において重要な役割を持ち、悪性腫瘍においてもその経路の解明は新たな治療標的につながる可能性が指摘されている。このことから今回の研究では、頭頸部癌においてCD147を中心とした細胞内シグナル伝達の解明することを目的とした。
頭頸部癌細胞株を用いた検討では、CD147の刺激因子であるCyclophilin Aを用いてCD147を刺激、あるいはsiRNA技術を用いてCD147の機能を抑制する条件下で主要な細胞内シグナル伝達因子のリン酸化を測定した。この結果、Cyclophikin Aによる刺激によりMEKのリン酸化が促進され、またsiRNAによるCD147 knock downによって抑制された。
さらに頭頸部癌におけるCD147発現の臨床的意義を検討するために、下咽頭癌症例におけるCD147の発現と予後の関連が検討され、CD147の発現が下咽頭癌の予後不良因子となる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

頭頸部扁平上皮癌細胞においてCD147によって誘導されるシグナル伝達経路を分子生物学的手法によって検討し、その候補となる因子が同定された。また臨床検体を用いた検討により、頭頸部癌におけるCD147の臨床的意義が検討され、CD147の発現が頭頸部癌の予後不良因子となる可能性が示唆されている。しかしながら、CD147によって誘導されるシグナル伝達経路の候補として同定された因子の阻害効果の検討はいまだ十分には行われていない。

今後の研究の推進方策

頭頸部癌細胞においてCD147によって誘導される細胞内シグナル伝達経路の検討を進め、その主要因子の阻害による腫瘍進展抑制効果を検討する。また、頭頸部癌におけるCD147のより詳細な機能解明のため、特に癌微小環境におけるCD147の機能解析を継続し、各種化学伝達物質や上皮間葉移行などとの関連を検討する。

次年度使用額が生じた理由

CD147によって誘導され、治療の標的となるシグナル伝達経路の検索にあたり多数の候補因子を検討する必要があり、これらの解析に予定以上の時間を要した。このため検出されたシグナル伝達因子の阻害による抗腫瘍効果の検討が遅れ、これに必要な物品および試薬の購入がなされなかった。また十分な解析結果が揃わず、関連する海外の学会等において研究成果の発表を行えなかったため。

次年度使用額の使用計画

当初の計画に沿いCD147に関連するシグナル伝達経路の解明とその阻害効果の検討を進めると同時に頭頸部癌を取り巻く微小環境におけるCD147の役割を検討する。このため、これらの検討に必要な機器および試薬等の購入を行う。また研究成果を関連学会で報告する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 下咽頭癌におけるCD147/EMMPRIN発現と予後の検討2016

    • 著者名/発表者名
      鈴木真輔、本田耕平、山崎一春、川嵜洋平、辻 正博、飯川延子、佐藤輝幸、石川和夫
    • 学会等名
      第117回日本耳鼻咽喉科学会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2016-05-18 – 2016-05-21
  • [学会発表] Analysis of signaling pathways induced by CD147/EMMPIN in HNSCC.2015

    • 著者名/発表者名
      Shinsuke Suzuki, Kazuo Ishikawa
    • 学会等名
      4th Congress of Asian Society of Head and Neck Oncology.
    • 発表場所
      Kobe, Japan
    • 年月日
      2015-06-03 – 2015-06-06
    • 国際学会

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公開日: 2017-01-06  

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