研究課題/領域番号 |
15K10797
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
粟飯原 輝人 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30268619)
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研究分担者 |
福光 延吉 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (40277075)
大西 かよ子 筑波大学, 医学医療系, 講師 (60529832)
石川 仁 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70344918)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ホウ素中性子補足療法 / 頭頸部癌 / 補助療法 |
研究実績の概要 |
頭頸部領域は機能上・美容上その温存が大変重要であり,現在の頭頸部癌治療の主流である外科的治療,放射線治療,抗癌剤治療の3者を至適に組み合わせる方法で治療が行われている.しかし,放射線や抗癌剤治療に対する治療効果が確立されていない非扁平上皮癌疾患や,進行/再発頭頸部癌では腫瘍の拡大全摘手術が根治を目指す主な治療法であり,患者は生命予後と引き替えに,治療後の美容的かつ機能的なQOLの大幅な低下を来している.このような,従来の治療法では制御困難と思われる病巣を,最低限の侵襲で正常臓器を損なうことなく制御できれば,患者の負荷は勿論のこと治療後の高いQOLが期待できる. このような問題を解決するために我々が開発している硼素中性子捕捉療法は,硼素(10B)と中性子との核反応で生じる高LETのα粒子を用いる癌の放射線治療であり,腫瘍細胞に選択的に取り込まれる硼素化合物であるp-boronophenylalanineを用いて腫瘍細胞のみ選択的に破壊する事のできる放射線治療である.我々は頭頸部癌に対するBNCTを行ってきた症例に対して,治療効果の予測因子として,BPA-PETの腫瘍/正常組織BPA集積比(T/N比)の腫瘍内集積の比率の低いものは治療効果が低いこと,また,BNCT治療を行う前治療と腫瘍の局在が照射後の致死的合併症に関連が高いことを本研究で証明した.前日のT/N比の低い症例に対しての照射後補助療法の効果を引き続き検討する.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在京大原子炉実験所の医療用原子炉が休止中であり,当初予定された症例数の治療が行えていない.それまでの期間に従来原子炉で治療を行った症例の解析は順調に進んでおり,全体的には若干の遅れが生じている.
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今後の研究の推進方策 |
現在京大原子炉の医療用原子炉の再開待ちである.その間に筑波大学が所有するBNCT用加速器中性子源の研究開発が進んでおり,京大原子炉の再開が遅れる場合は加速器中性子源への変更を検討し,研究を継続する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
原子炉休止により,予定症例数の治療が行えなかったため.
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越し金額を含めて予定症例の治療を行う.
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