研究実績の概要 |
当該年度は引き続き、頭頸部扁平上皮癌細胞株とヒト樹状細胞を用いたin vitroの追加実験を行なった。低用量ドセタキセル(3.125 uM)で48時間処理したHSC4およびCa9-22の培養上清(CS)中で未熟樹状細胞を24時間培養した。培養後樹状細胞からtotal RNAを抽出しIL1A, IL1B, TNF発現を解析したところ、DMSOコントロールに比べてHSC4 CS中の培養ではそれぞれ12.4倍、80.8倍、2.85倍上昇を認めた。しかしCa9-22 CS中の培養ではIL1Bが18.1倍に上昇していたもののIL1AおよびTNFについては有意な上昇を認めなかった。さらに培養上清中のIL-12p70濃度を調べたところHSC4 CS培養後では217.4倍、Ca9-22 CS培養後では11.2倍上昇していた。以上の結果から低用量ドセタキセルで処理された頭頸部扁平上皮癌では未熟樹状細胞の活性に好影響を与えていることがわかった。
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