研究課題/領域番号 |
15K10808
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
堀 圭介 東京女子医科大学, 医学部, 研究生 (30749651)
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研究分担者 |
岡田 裕之 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (60263563)
河原 祥朗 岡山大学, 大学病院, 講師 (30420483)
高木 章乃夫 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (80359885)
岩室 雅也 岡山大学, 大学病院, 助教 (30645403)
木股 敬裕 岡山大学, 医歯薬学総合研究科, 教授 (50392345)
小野田 友男 岡山大学, 大学病院, 助教 (20420482)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 再生医療 / 咽頭癌 |
研究実績の概要 |
本研究は咽頭内視鏡的治療後、再生医療による扁平上皮細胞シート移植による治療後の炎症、瘢痕形成を予防することを目的とする。平成28年度はヒト臨床研究に向けた前臨床段階の移植をミニブタモデルを用いて行う事が目的となる。平成27年度は基盤的な移植デバイス、動物実験モデル構築が目的であり、移植デバイス、実験モデル作成ともに順調に推移した。平成28年度はミニブタモデルに対して前年度作成した移植デバイスを用いた移植実験を行い、前臨床段階の動物実験データの収集を行った。 ミニブタにおいてはヒトと咽頭の解剖学的構造が異なり、咽頭扁平上皮を広範に切除しても下咽頭領域の癒着が起こりがたく、細胞シートの効果判定にあたり条件設置の変更が必要となった。食道入口部領域の広範な切除への変更、細胞シート移植群と非移植群の比較の他、片側への細胞シート移植を用いて治癒傾向の比較、炎症の比較検討を行い、細胞シート移植による効果を確認した。 ESD後潰瘍の再上皮化の程度の測定では、シート移植を行わなかったコントロール群では術後3週の時点でも、上皮化は潰瘍の辺縁に留まり、粘膜下層に多数の炎症細胞の浸潤を認めたが、シート移植群では潰瘍部の再上皮化は完了し、炎症細胞も認めなかった。食道入口部の全周切除モデルの比較では、細胞シート移植症例では狭窄の程度が改善していた。 創傷形成部に対する細胞シート移植後の生着の確認、及び移植された組織幹細胞の増殖と辺縁、又は骨髄細胞等他臓器からの幹細胞誘導、増殖による扁平上皮細胞の増殖の鑑別に関しては方法論の検討が望まれた。 また、研究成果をJDDW主題発表、アメリカDOWポスター発表と消化器内視鏡領域の主要な学会で成果を発表し、結果につき論文作成を進めると共にヒト臨床に向け体制構築を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
動物実験における移植デバイスの開発後、手技も安定しつつあり、ヒト臨床への応用に向けた基盤的な体制が構築されつつある。
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今後の研究の推進方策 |
食道領域の細胞シート移植の研究開発状況とあわせ、咽頭領域におけるヒト臨床試験に向け、引き続き前臨床データ収集とあわせ、薬事戦略相談、医師主導治験の為の研究開発費獲得を視野に入れた体制構築を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
岡山大学より東京女子医大に留学した医師によるミニブタモデルによる実験が進捗し、一時データの取りまとめ期間を設けた為。
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次年度使用額の使用計画 |
前臨床データ取りまとめ後の追加実験、及びヒト臨床研究に関する薬事戦略相談、ミーティング開催の為の旅費として使用する予定である。
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