研究課題/領域番号 |
15K10814
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
山下 懐 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (60569622)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 頭頸部癌 / 遺伝子多型 / ADH1B, ALDH2 / CYP1A1, GST |
研究実績の概要 |
沖縄県では頭頸部癌、頭頸部重複癌が多く、原因として飲酒、喫煙に関する風習、島嶼環境下における民族特有の発癌因子代謝に関与する遺伝子多型の存在が予測される。この環境と、アルコール代謝遺伝子①ADH1B②ALDH2、たばこに含まれる有害物質の活性や代謝にかかわる遺伝子③CYP1A1④GST に着目し、遺伝子多型と交絡因子(生活習慣)を解析することにより、遺伝子多型と生活習慣が頭頸部癌および重複癌発症に与える影響、予後への影響を明らかにする。 平成28年度は患者の血液サンプルの採取を継続し、サンプルから抽出したDNAからADH1B、ALDH2の遺伝子多型をPCR-RFLP法を用いて解析。CYP1A1 MSPⅠとCYP1A1 Ile462Valの遺伝子多型はARKRAY社の全自動遺伝子多型解析装置を用いて解析し、GSTM1、GSTT1、GSTP1の遺伝子多型はGSTM1、GSTT1をMultiplex-PCR法、GSTP1をPCR-RFLP法で解析を継続した。 喉頭癌29例,下咽頭癌67例,コントロール群123例のADH1B、ALDH2、CYP1A1 MSPⅠ、CYP1A1 Ile462Val、GSTM1、GSTT1、GSTP1の遺伝子多型を解析し,交絡因子を含め統計学的検討を行った結果,下咽頭癌はADH1B*1/*1, ALDH2*1/*2 の遺伝子多型が有意に危険因子となり(OR=5.44, 95%CI=1.34-22.16, p=0.018,OR=7.19, 95%CI=2.47-20.93, p<0.001),喉頭癌はGSTM1 nullの遺伝子多型が有意に危険因子となることがわかり(OR=3.63, 95%CI=1.26-10.45, p=0.017),下咽頭癌と喉頭癌で危険因子となる遺伝子多型に違いがあることも示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
サンプル採取は順調であるが、遺伝子多型解析はやや遅延している。口腔癌28例、喉頭癌35例、中咽頭癌68例、下咽頭癌78例、コントロール123例の遺伝子多型の解析をもとに統計学的解析をおこない、研究概要に記載した結果などを得たため、H29年度には論文投稿、発表を予定している。遺伝子多型の解析をすすめていく環境はととのっている。
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今後の研究の推進方策 |
サンプル数は頭頸部癌として320例に届いている。遺伝子多型の解析をすすめ、統計学的解析をすすめていく。予後についても調査を行い、予後と遺伝子多型、交絡因子との関連も検討していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
CYP1A1遺伝子多型を自動解析機を使用して解析をしている。解析キットの購入(100検体単位)を検討していたが当該年度は施行せず、研究計画で遅れていたGST遺伝子多型の解析をRFLP-PCR、Multiplex-PCRをもちいて優先して行ったため、新たな解析キット購入をしなかったため次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額と翌年度分を合わせた使用計画は以下のとおりである。 主たる直接経費としてCYP1A1遺伝子多型解析のための自動解析機用の解析キットの購入を物品費として計上し、研究調査、成果発表のための国内旅費(本学と学会開催都市、計4回)、国際学会のための旅費、それらに付随する学会参加費と論文投稿のための英文校正や投稿料を計上した。
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