研究課題/領域番号 |
15K10818
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
高野 賢一 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (70404689)
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研究分担者 |
松宮 弘 札幌医科大学, 医学部, 助教 (80517904) [辞退]
角木 拓也 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (70706548) [辞退]
金子 躍人 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (90738874) [辞退]
矢島 諒人 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (90722455)
垣内 晃人 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60722436)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | IgG4関連疾患 / 唾液腺 / 顎下腺 / 導管上皮 / タイト結合 / 繊維芽細胞 |
研究実績の概要 |
正常顎下腺組織においても,IgG4関連疾患の顎下腺組織においても,導管上皮の頂端側でタイト結合関連蛋白(Occludin, JAM-A, Claudin-7および-4)が認められ,RT-PCRおよびWesternblot法でも確認された。正常および疾患由来のヒト顎下腺導管上皮の培養系を確立し,これらの細胞にも同様のタイト結合蛋白が安定発現しており,この細胞にEGF,TGF-b,IFNgの各サイトカインを処置したところ,IFNgにより著明な上皮バリア機能の亢進が認められた。バリア機能亢進メカニズムの一端として,Claudin-7の発現上昇によるものが確認された。こうした結果から,IgG4 関連疾患における顎下腺のタイト結合関連蛋白の発現維持は,IFNg に対する顎下腺特有の性質に起因する可能性が示唆された。 次いで,疾患および正常由来の顎下腺繊維芽細胞における遺伝子発現をマイクロアレイ法にて解析したところ,疾患由来繊維芽細胞において線維化に関与する分子のひとつとして,IL-6の有意な発現上昇が認められた。免疫組織染色を行うと,疾患由来顎下腺組織ではIL-6の高発現を認め,RT-PCRおよびWestern blot法でもIL-6の発現上昇を認め,培養上清をEILSA法にて解析するとIgG4-RD由来HSGFsではIL-6濃度の有意な上昇を認めた。さらにこの繊維芽細胞にTNFa,IL-1b,IFNgの各炎症性サイトカインを処置すると,ELISA法にてIL-6の著明な産生誘導を認めた。阻害剤を用いた検討から,IL-6の産生誘導はHSGFs内のNF-kBを介していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね当初の予定通りのペースで研究が進み,結果も得られている。研究結果については,すでに学会等で発表を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
ヒト顎下腺から得られた繊維芽細胞のこれまでの検討から,IL-6のほか,IL-33やTSLP,WISPなどの候補分子が挙がっている。これらの線維化への関与を分枝レベルで検討し,結果を得ていく方針である。
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