組織再生誘導型人工気管は、成人への臨床応用にて良好な結果を得ているが、再建後生涯にわたりポリプロピレン製骨格が残存することから、小児に対しては使用されていない。非吸収性人工材料を排し、軟骨自体が骨格として機能しうる気管軟骨の再生が可能となれば、現状では治療が難しい小児の気管狭窄等に対して治療に寄与し得る。 自己の細胞を利用した再生治療を志向した場合、気管軟骨と同じ硝子軟骨からなる肋軟骨は採取が比較的容易であり、機能障害、合併症の観点からもcell sourceとして有利と考えらる。 軟骨膜の特性を理解し、軟骨とは区別して組織再生に利用することは、軟骨再生の新たなアプローチになり得る。
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