研究課題/領域番号 |
15K10820
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
中野 宏 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00405309)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 免疫遺伝子治療 / 頭頸部扁平上皮癌 / サイトカイン / セツキシマブ / 分子標的薬 |
研究実績の概要 |
1)in vivo electroporation法によるサイトカイン遺伝子導入:現在までにIL-21、Il-27、IL-28発現遺伝子をEBV plasmid vectorに組み込み、electroporation法を用いてSCCVII担癌マウスに導入し、SCCVIIの腫瘍増殖が抑制されることを確認した。なお、各々のvectorがIL-21,27,28を発現していることは確認している。 2)セツキシマブとの併用治療:さらにセツキシマブとの併用治療(腹腔内投与ならびにelectrochemotherapyによる局所投与)にてIL-21、IL-28では相乗的に、IL-28では相加的に腫瘍の増殖を抑制できることを確認した。 なお静脈内投与では手技が安定せず、その有効性に再現性が得られなかった。 3)CTL・NK細胞の細胞傷害活性の検討:これらの抗腫瘍効果のメカニズムを解明するために、現在、治療後マウスの脾細胞を回収し、NK細胞・CTLの細胞傷害活性をCr released assayを用いて解析中である。 4)今後の予定:さらに今後、治療後マウスの血清中に含まれるIFN-γ、TGF-βなどのサイトカイン濃度および腫瘍組織内のEGFR濃度をELISAを用いて測定し、治療後の、マウスリンパ節および脾臓に含まれる樹状細胞を回収し、SCCVII特異的抗原を解析することで抗原性に対するセツキシマブの影響を検討する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
NK細胞・CTLの細胞障害活性を評価するためCr released assayを行なうも、結果が安定せず(再現性が得られず)、複数回の反復検証を要したため、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後、治療後マウスの血清中に含まれるIFN-γ、TGF-βなどのサイトカイン濃度および腫瘍組織内のEGFR濃度をELISAを用いて測定し、 治療後の、マウスリンパ節および脾臓に含まれる樹状細胞を回収し、SCCVII特異的抗原を解析することで抗原性に対するセツキシマブの影響を検討する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の遅れ(CTL・NK細胞の細胞傷害活性の解析)により、次年度に研究が持ち越されたため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度に予定していたCTL・NK細胞の細胞障害活性の解析などに必要な試薬の購入などに充てる。
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