ラットの喉頭および下咽頭において筋小胞体カルシウムATPase(SERCA)の発現を免疫組織化学法を用いて調べた。内喉頭筋では声門閉鎖に関わる甲状披裂筋と呼吸に関わる声門開大筋である後輪状披裂筋では発現パターンが異なる。甲状披裂筋では速筋型であるSERCA1が大半を占めたのに対して、後輪状披裂筋では遅筋に多いとされるSERCA2が約4割認めた。一方で嚥下に関わる筋群では甲状咽頭筋がSERCA1陽性筋線維で占められたのに対して、輪状咽頭筋では内側でSERCA2陽性筋線維が多く認められた。SERCAは発声、嚥下、呼吸において筋活動の持続性を決定する重要な要因であることが示唆された。
|