研究課題/領域番号 |
15K10826
|
研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
豊村 文将 東京医科大学, 医学部, 兼任助教 (40421028)
|
研究分担者 |
渡嘉敷 亮二 東京医科大学, 医学部, 兼任教授 (70328235)
平松 宏之 東京医科大学, 医学部, その他 (30384994) [辞退]
上田 百合 東京医科大学, 医学部, 助教 (90617581)
服部 和裕 東京医科大学, 医学部, 助教 (00532376)
縣 愛弓 東京医科大学, 医学部, 臨床研究医 (90775389)
渡嘉敷 邦彦 東京医科大学, 医学部, 助教 (80774695)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 高次脳機能障害 / 発声障害 / fMRI |
研究実績の概要 |
最近、いくつかの非侵襲的脳機能計測法が開発されてきているが、その中でも機能的 MRI(functional magnetic resonance imaging:以下 fMRI)は最も注目されている。なぜなら通常の MRI と同様の方法で、被検者(患者)に侵襲を加えず脳機能を画像として見るこ とができるからである 。 見たり、聞いたり、話したり、手足を動かしたりすると、それに対応する脳の部位が賦活する。 賦活化した脳の部位では神経細胞の酸素消費量が増加するため、2 次的に MR 信号が増強する。本研究では、痙攣性発声障害患者の脳賦活部位を正常者と比較することで痙攣性発声障害 患者における異常な脳活動を特定した。 我々はこれまで正常者と比較するための被検者となった発声障害患者の中で、ボツリヌス注射、や手術治療に より発声障害が治癒またはきわめて劇的に改善した症例に対して、術後6 カ月目に再度fMRI の撮像を 行い、治療前と比較した。 このことにより、病態そのものの賦活部位、あるいは上述の、制御機構の同定など、他にもきわめて興味深い情報が得られた。発声障害の病態は痙攣性発声障害だけではなく、吃音や喉頭振戦、過緊張性発声などいまだ病態が十分に解明されていない疾患が存在する。我々は今年度までに得られた結果をもとに、来年度は前述の痙攣性発声障害以外の発声障害疾患の病態を解明するために新たに患者群を収集しfMRIを撮像しそれぞれの賦活部位を比較する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初に予定していた痙攣性発声障害の病態を解明するための脳賦活部位を特定することがができ、今後さらに他の発声障害について、研究を発展することができたため。
|
今後の研究の推進方策 |
まだ病態が解明されていない発声障害に対し、今まで得られた解析結果をもとに病態に関与すると思われる高次脳機能の働きについてその病態の解明を検討していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定していた国際学会への参加ができなかったことと、パソコンなど既存の物品で研究が進められたため。
|
次年度使用額の使用計画 |
来年度の学会参加費、および新たな物品購入費用に充てる。
|