研究課題/領域番号 |
15K10829
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
佐藤 公則 久留米大学, 医学部, 客員教授 (70196228)
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研究分担者 |
千年 俊一 久留米大学, 医学部, 准教授 (20299514)
梅野 博仁 久留米大学, 医学部, 教授 (40203583)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | ヒト声帯 / 組織幹細胞 / 幹細胞ニッチ / 声帯星細胞 / 黄斑 |
研究実績の概要 |
ヒト声帯黄斑内の細胞は組織幹細胞、黄斑は幹細胞ニッチであることが我々の研究から示唆されている。 1) ヒト成人と新生児の黄斑内の細胞にはCD34、CD45、collagen type Iが発現しており、骨髄由来のcirculating fibrocytesに関連した細胞である可能性が示 唆された。2) ヒト声帯黄斑内の細胞は、黄斑の微小環境により対称性分裂または非対称性分裂を行った。また非対称性分裂を行う場合はcolony-forming unitを 形成した。3) 黄斑の微小環境により、ヒト声帯黄斑内の細胞は組織幹細胞の特徴を示したり、示さなかったりすることから、ヒト声帯黄斑内の細胞が組織幹細 胞性を維持するためには、黄斑の微小環境が重要であることが示唆された。4)ヒト声帯黄斑内の細胞には、Cytokeratin、GFAPを保持した中間系フィラメントを 認めることから外胚葉由来の、Desmin、Vimentinを保持した中間系フィラメントを認めることから中胚葉由来の、内胚葉マーカーであるSox17が陽性であること から内胚葉由来の細胞であることがわかった。このことから声帯黄斑内の細胞は三胚葉への分化が可能であり、胚葉を越えた分化が可能な細胞である可能性が示 唆された。5)ラット声帯黄斑内の細胞はラベル保持細胞であり、Ki67が陰性であることから細胞増殖が休止期の細胞であった。このことからラット声帯黄斑内の 細胞は組織幹細胞である可能性が示唆された。6)ラット声帯黄斑の細胞間質にはヒアルロン酸が豊富に存在し、ラット声帯黄斑のラベル保持細胞はヒアルロン酸 受容体であるCD44を発現していた。ラット声帯黄斑はヒアルロン酸リッチマトリックスであり、幹細胞ニッチである可能性が示唆された。7)ヒト声帯黄斑内の細 胞を、脂肪、軟骨、骨組織に分化誘導できた。
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