平成27年にわれわれが新しく見いだした黄斑変性と周辺部網膜変性を併せ持つ患者群の詳細な臨床研究に、本年度も力を注いだ。われわれは、一昨年度までに詳細な家系調査により約40名の患者を見いだしたと共に、それぞれの家系の関係性について特定することにほぼ成功した。そのうち、15名の患者について電気生理学的検査を含む詳細な眼科的検査を実施した。様々な検査所見から、本疾患の臨床所見について解析を行った。また、遺伝子解析は、発症者および正常者の全エクソンのエクソーム解析の結果から、発症者と正常者のセグリゲーションを行い、その結果3つの候補遺伝子を選出し、原因遺伝子と推察される遺伝子を検出した。その遺伝子についてノックアウトマウスを作成し、表現型を確認したところ、本疾患患者と同様の所見を認めた。現在、遺伝子の機能解析を進め、現在も継続して解析を推進している段階である。 (なお本変性症の研究についてはまだ遺伝子解析の最終結果が出ていないために公表できず、これ以上の詳細を記載することは差し控えたい)
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