研究課題/領域番号 |
15K10843
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
緒方 奈保子 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60204062)
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研究分担者 |
上田 哲生 奈良県立医科大学, 医学部, 准教授 (00364068)
車谷 典男 奈良県立医科大学, 医学部, 副学長 (10124877)
山下 真理子 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (10645659) [辞退]
西 智 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (70571214)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 加齢黄斑変性 / 白内障 / 認知症 / 概日リズム / 高齢者 / QOL |
研究実績の概要 |
1. 高齢者の視機能がQOLに及ぼす影響 高齢者が健康を維持しquality of life (QOL)を保つには運動能力が重要である。眼科検診藤原京EYEスタディにおいて歩行速度測定、開眼片足立ち能力測定を実施できた約2800人を検討した。10m歩行速度において単変量解析で視力、年齢、性別、現在の喫煙、併存障害が有意に関連した。多変量線形回帰分析で年齢、性別、BMI、併存障害は歩行速度と関連があったが、これらと独立して視力が悪いと歩行速度が遅いという結果であった。開眼片足立ち能力は、単変量解析で視力、年齢、性別、現在の喫煙、BMI、併存障害が有意に関連した。多変量線形回帰分析で年齢、性別、BMI、併存障害が歩行速度と関連したが、これらと独立して視力が悪いと開眼片足立ち時間が短かった。結果として視力が悪いと歩行速度測定、開眼片足立ち能力が低下し、転倒のリスクも高くなることがわかった。
2. 加齢黄斑変性(AMD)におけるアミロイドβの関与 AMDの病態にはアミロイドβが関与すると言われている。培養網膜色素上皮(ARPE-19)にアミロイドβ(0 - 25μM)を添加48時間培養し、その影響についてin vitroで検討した。その結果、ARPE-19はアミロイドβが低濃度群 (5μM) で増殖していたが、高濃度群 (25μM)では減少していた。低濃度群でmRNA、タンパクともにPEDFの増加が認められたが、VEGF-A mRNAは変化しなかった。一方、高濃度群では、VEGF-Aのみが有意に増加していた。PEDF阻害剤添加によって、低濃度群で細胞増殖は抑制され、siRAGE添加で両群のVEGF-A、PEDFの発現変化はなくなった。アミロイドβはその濃度によってRAGEを介して網膜色素上皮からのPEDFやVEGFの発現を変化させ、細胞増殖を制御していると考えられた。
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