研究課題/領域番号 |
15K10848
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
根岸 一乃 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (10228281)
|
研究分担者 |
三村 將 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00190728)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 高齢者 / 運転 / 視力 / 適性 / スクリーニング / 認知機能 / 運動機能 |
研究実績の概要 |
本研究にて、高齢運転者の実用視力と有効視野検査VFIT-EV(Visual Field with Inhibitory -Elderly Version)の正答率に相関があることが示され、その成果を論文発表した(Negishi K, et. al. Relationship between Functional Visual Acuity and Useful Field of View in Elderly Drivers. PLoS One. 2016)。これと平成24年度 基盤研究(C) 運転者、とくに高齢運転者の安全に関わる視覚機能の解明(課題番号24592645)の成果から、実用視力は安全運転のための重要な視覚機能、認知機能(有効視野)、運動機能(反応時間)を短時間でスクリーニング可能な運転適性のスクリーニングに有望な検査であることが推察された。現状での実用視力検査は1分間であるが、運転適性のスクリーニング検査としての用途を考えると、同様の結果がえられるのであれば、検査時間はできるだけ短縮されたほうが望ましい。本年度は、将来的な運転適性スクリーニング法の開発を目指して、実用視力の検査時間を短縮しても、同様結果が得られるかどうかの検証を行う予定であった。現状ではすでに被験者ボランティアにより、検査時間1分間と30秒間で実用視力検査の結果に差がでるかどうかのデータを取得ずみで、現在データ解析中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度中に計画していた1)実用視力の検査時間短縮の検討、2)周辺視野課題を含むプログラムの基礎開発と評価の2項目のうち、1)についてはおおむね順調に進んでいるが、2)については技術的および人的問題により難航しているため、全体ととして上記の区分を選択した。
|
今後の研究の推進方策 |
平成27年度の研究結果を踏まえ、今後新しい視覚認知運動機能スクリーニング検査装置としての実用視力検査とVFIT-EV、運転適性検査または実車評価の相関について検討する。最終的には実車評価との相関があり、かつ検査時間ができるだけ短くなるようにプログラムの修正を繰り返し行う予定である。また、当初計画していた実用視力検査に周辺視野課題を加えたプログラムについては、技術的および人的問題により難航しているため、本年度の進捗状況をみて研究計画の見直しが必要となる可能性がある。
|
次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度中に計画していた1)実用視力の検査時間短縮の検討、2)周辺視野課題を含むプログラムの基礎開発と評価の2項目のうち、1)についてはおおむね順調に進んでいるが、最適な検査時間を検討すべく、複数回の臨床研究を行うところ、いまだ1回しかおこなっていないため、この分の予算が未使用である。また、2)については技術的および人的問題により難航し計画が遅れた。この遅れに伴い、予定していた機器で購入していないものがある。
|
次年度使用額の使用計画 |
本年度は引き続き予定の実験を行い、計画の遅れを取り戻す予定で、それに伴い、昨年度内に予定していた予算も今年度中に使用する予定である。
|