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2015 年度 実施状況報告書

糖尿病網膜症の発症におけるMrp4の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K10865
研究機関神戸大学

研究代表者

楠原 仙太郎  神戸大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40437463)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワードMrp4 / ABCトランスポーター / 網膜 / 糖尿病
研究実績の概要

網膜では血管内皮細胞に特異的に発現するMultidrug resistance protein 4 (MRP4)と糖尿病網膜症発症の関係についてマウスモデルを用いて調べた。
1. 研究内容: Mrp4ノックアウト(KO)マウスと野生型(コントロール)マウスを用いて以下の実験を行った。成体マウス(生後8-10週)にストレプトゾトシン(45mg/kg body weight)の腹腔内注射を5日連続で行い2週間後に血糖値を測定し300mg/dl以上であることが継続的に確認できた個体をその後の実験に用いた。高血糖が出現してから3ヵ月後に網膜を取り出し網膜伸展標本で免疫組織染色を行ったところ、Mrp4KOマウスでは野生型マウスに比較して網膜血管の脱落が有意に認められた。ただ、SMA陽性周皮細胞およびGFAP陽性アストロサイトについては明らかな形態変化は認められなかった。網膜切片を用いたHE染色においても網膜10層構造に明らかな変化は認められなかった。2型糖尿病マウスモデルについては、InsCreTgマウスとPdk1flox/+マウスの交配を進めて、nsCreTg; Pdk1flox/floxマウスを作成している最中である。
2. 研究の意義: 実験結果からMrp4は高血糖における網膜血管内皮細胞の脱落を促進していると推測される。Mrp4が糖尿病網膜症に関与している可能性が考えられるが、今回の実験では高血糖後比較的早期の段階での評価であり更なる追加実験が必要である。
3. 研究の重要性: Mrp4が糖尿病網膜症の形成を促進するのであればMrp4機能不全を防ぐことが糖尿病網膜症に対する治療的アプローチとなるかもしれない。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

平成27年度の研究計画予定していた(1) 1型糖尿病モデルマウスにおける網膜血管でのMrp4の発現の変化を明らかにする、(2) Mrp4の1型糖尿病網膜症における役割を明らかにする、(3) 2型糖尿病モデルマウスの作成、ことであり、技術的な問題で(1)についての実験の再現性を確認している最中であるが、(2)(3)についてはおおむね達成されている。

今後の研究の推進方策

1型糖尿病マウスモデルの追加実験と並行して、当初の研究計画にあった2型糖尿病マウスモデルの解析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

施設でのマウスの飼育料が予定していた金額より安価であったため1,970円の繰り越しが生じた。

次年度使用額の使用計画

繰り越し金については次年度の実験に使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Mrp4 deficiency has no apparent effect on age-related changes of the mouse retina2016

    • 著者名/発表者名
      Sentaro Kusuhara, Sho Nobuyoshi, Keiko Kojima, Wataru Matsumiya, Makoto Nakamura
    • 学会等名
      the ARVO 2016 Annual Meeting
    • 発表場所
      シアトル、米国
    • 年月日
      2016-05-01 – 2016-05-05
    • 国際学会
  • [学会発表] 加齢性網膜変化におけるmultidrug resistance protein 4 (Mrp4)の役割2016

    • 著者名/発表者名
      楠原仙太郎、延吉 章、小島恵子、松宮 亘、中村 誠
    • 学会等名
      第120会日本眼科学会総会
    • 発表場所
      仙台
    • 年月日
      2016-04-07 – 2016-04-10

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公開日: 2017-01-06  

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